パナソニック、Winbond子会社に半導体事業を譲渡:タワージャズの持ち分も手放す形に
パナソニックは2019年11月28日、100%子会社のパナソニック セミコンダクターソリューションズ(京都府長岡京市、以下PSCS)を中心に運営する半導体事業を台湾のWinbond Electronics傘下のNuvoton Technologyに譲渡すること、同社との間で株式資産譲渡契約を締結することを決定した、と発表した。2020年6月1日を効力発生日として、譲渡を実施する予定という。
パナソニックは2019年11月28日、100%子会社のパナソニック セミコンダクターソリューションズ(京都府長岡京市、以下PSCS)を中心に運営する半導体事業を台湾のWinbond Electronics傘下のNuvoton Technologyに譲渡すること、同社との間で株式資産譲渡契約を締結することを決定した、と発表した。2020年6月1日を効力発生日として、譲渡を実施する予定という。
具体的には、「パナソニック デバイスシステムテクノ」と「パナソニック デバイスエンジニアリング」の全株式を会社分割によってPSCSに継承したのちPSCSを譲渡。さらにシンガポール法人の半導体開発や販売事業を担当する社内カンパニー「パナソニック デバイスセミコンダクターアジア」の事業のほか、「パナソニック セミコンダクター蘇州」の半導体事業にかかる設備、在庫などもそれぞれ、Nuvoton Technologyの現地法人に譲渡する。またイスラエルのTower Semiconductor(Tower Jazz)との合弁会社パナソニック・タワージャズ セミコンダクター(富山県魚津市)の持ち分も譲渡する形となる。
同社は、「近年の競合他社の勢力拡大、注力事業への巨額投資、M&Aを通じた業界再編の進行など、半導体事業を取り巻く競争環境は熾烈を極めている。このような中、今後当該事業を成長拡大させるためには事業運営の強化と継続した投資が極めて重要となる」とし、「当社が蓄積してきた技術力、商品力を高く評価し、それらを最大限活用し、持続的な事業成長が期待できるNuvoton Technologyの下での事業運営が最善と判断し、譲渡を決定した」としている。
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