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GaO MOSFETでSiCを大幅に上回るチャンネル移動度実現SBDは量産間近、MOSFETは2021年以降

京大発ベンチャーのFLOSFIAは「SEMICON Japan 2019」(2019年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、「GaO(材料名α-Ga2O3:コランダム構造酸化ガリウム)」パワーデバイスや評価用ボードを展示した。同社は世界初のGaOパワーデバイスとして、ショットキーバリアダイオード(SBD)を2020年中に量産予定だ。また、MOSFETについても、「ノーマリーオフ動作するMOSFETで、市販のSiCの特性を大幅に超えるチャンネル移動度を実現した」と最新の開発状況を紹介。2020年度中のサンプル提供、2021年以降の実用化を目指しているという。

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 京大発ベンチャーのFLOSFIAは「SEMICON Japan 2019」(2019年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、「GaO(材料名α-Ga2O3:コランダム構造酸化ガリウム)」パワーデバイスや評価用ボードを展示した。同社は世界初のGaOパワーデバイスとして、ショットキーバリアダイオード(SBD)を2020年中に量産予定だ。また、MOSFETについても、「ノーマリーオフ動作するMOSFETで、市販のSiCの特性を大幅に超えるチャンネル移動度を実現した」と最新の開発状況を紹介。2020年度中のサンプル提供、2021年以降の実用化を目指しているという。


展示していたGaOパワーデバイスの評価用ボード(クリックで拡大)

実用化に向けて着実に成果を積む

 酸化ガリウムは、5.3eVのバンドギャップ値(コランダム構造の場合)など、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を上回る超低損失を実現可能として、パワーデバイス材料への活用が期待されている。

 従来の手法では単結晶薄膜の作成が困難とされてきたが、同社は、ミスト状態で原材料を投入、そのミストを加熱して少しずつ気化させ、化学反応によって成膜していくというコア技術「ミストドライ法」によって、サファイア基板上に単結晶薄膜を作製することに成功した。同社の手法では、サファイア基板を用いること、高価な真空装置を必要としないことなどから、製造コストはSiCと比べて大きく抑えることができるという利点もあるとしている。

 そして2015年には、「世界最小の特性オン抵抗」(同社)として、既存のSiCのSBDと比べると86%の低減を実現した0.1mΩcm2のSBDを試作し、汎用パッケージTO220でサンプル提供を開始するなど、事業化を進めている。

 さらに、2016年にはコランダム構造を有するP型半導体「酸化イリジウム」を発見し、2018年には試作したMOSFETで、反転層チャンネルによるノーマリーオフ動作の実証に成功している。

SiCを「大幅に上回る」チャンネル移動度実現

 今回の展示では、MOSFETの最新の開発状況も説明。試作したノーマリーオフ動作するGaO MOSFETで「市販SiCの特性を大幅に超えるチャンネル移動度を実現した」と紹介した。

 具体的には、サファイア基板上にGaOを用いたN+型ソース、ドレイン層と新規P型半導体層を用いたP型ウェル層、ゲート絶縁体、電極などを形成したデバイスを試作。チャンネル移動度を測定したところ、最大72cm2を示したという。同社が耐圧600〜1200V級MOSFETの特性オン抵抗を試算したところ、市販SiCの約50%以下となり「SiCを大幅に上回る特性が期待できることが明らかになった」としている。

 同社は今後、まずはSBDを2020年中に量産する予定で、評価ボードの販売受付も開始する。また2020年度中にMOSFETについても、サンプル提供を開始し、2021年以降の実用化を目指すとしている。

 説明担当者は、「チップ自体は1mm角程度で歩留まりがよければ4インチのサファイア基板から1000個単位で取れる。初期の量産規模は月産20〜30万個程度となるが、今後生産体制を強化する。SiCと同等以上の性能のものを、SiCより安く提供できるだろう。まずはSBDで実績を作り、MOSFETにつなげていきたい」と話していた。

ブースに展示していたGaOパワーデバイスとデモの様子(クリックで拡大)


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