2019年のエレクトロニクス業界を記事で振り返る:政治に翻弄された1年に(1/4 ページ)
2019年の主なニュースを、EE Times Japanに掲載された記事で振り返ります。
2019年のエレクトロニクス業界を振り返る
「あけましておめでとうございます」と言ったのが、つい先日のようです……。ことしは、いつも以上に1年が速かった気がします。
ということで、ことしも、2019年のエレクトロニクス業界を記事で振り返ってみたいと思います。
1月
年明け早々のエレクトロニクス業界の風物詩といえば「CES」。「CES 2019」では、十数年ぶりにAMDが基調講演に登壇し、大きな注目を集めました。AMDのCEOといえば、言わずと知れたLisa Su氏。Su氏はこの基調講演で、7nmプロセスを適用したGPU「Radeon VII」などの詳細を語りました。
Appleが、2002年以来初めてとなる減益見通しを発表しました。AppleのCEOであるTim Cook氏は、業績見通しが悪化した要因を中国の経済低迷によるものと述べていました。売り上げを「iPhone」に大きく依存していたAppleですが、2019年の発表を見るとサービス寄りに舵を切っている様子が伺えました。
Intelでは、2018年6月に、前任のBrian Krzanich氏の後継として暫定CEOに就いていたBob Swan氏が、正式なCEOとして就任しました。
2月
Foxconnが、米国ウィスコンシン州でLCD(液晶ディスプレイ)を開発する計画を発表しました。当初の計画が二転三転した末の発表ということで、米国政府から何らかの圧力があったのではと推測されます。業界が政府に翻弄された一例といえるかもしれません。
・Qualcommの5Gモデム「Snapdragon X55」、下りは最大7Gbps
Qualcommが5G(第5世代移動通信)対応の新しいモデム「Snapdragon X55」を発表しました。7nmプロセスを適用したチップで、ミリ波帯とサブ6GHz帯の両方をサポートします。通信速度(理論値)は下りが最大7Gビット/秒(bps)、上りが最大3Gbpsです。
ヤマハ発動機、新川、アピックヤマダの3社間で、半導体製造装置/電子部品実装装置事業を統合すると発表しました。半導体の後工程と、電子部品実装においてターンキーのプロバイダーとしてシェア増加を狙います。余談ですが、発表当時、統合の過程を描いた図の、あまりの複雑さに白目をむきそうになったことを覚えています。
3月
経費削減のため、需要動向に応じて半導体工場の稼働を一時的に停止すると発表したルネサス エレクトロニクス。当時の社長だった呉文精氏が、その詳細を説明しました。ルネサスの、この決断は専門家たちから厳しく批判されました。
終始、米中の貿易摩擦問題に翻弄され続けた2019年のエレクトロニクス業界。特にHuaweiに絡む分野では、その傾向が顕著でした。
・Samsung、28nm FD-SOIプロセス適用のeMRAMを出荷へ
Samsung Electronicsが、同社にとって初となる、28nm FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター、以下FDS)プロセスをベースにしたeMRAM(組み込み型磁気抵抗メモリ)製品の量産を発表しました。FD-SOIプロセスの動向については、今後も注視していきます。
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