ありとあらゆる電子機器にコンデンサが使われる:福田昭のデバイス通信(223) 2019年度版実装技術ロードマップ(33)(2/2 ページ)
第4章「電子部品」からコンデンサについて解説する。コンデンサの構造や働き、種類を説明しよう。
主なコンデンサの種類と特徴
コンデンサにはその構造と材料によって「セラミックコンデンサ」や「フィルムコンデンサ」、「アルミ電解コンデンサ」などがある。全体の市場規模(金額)は2018年に2兆5000億弱と推定される。種類別に見るとセラミックコンデンサが最も大きく、コンデンサ市場の半分強に達する。次いで大きいのがアルミ電解コンデンサで、コンデンサ全体のおよそ4分の1を占める。3番目に大きなフィルムコンデンサの占める割合は、およそ1割である。また市場規模はまだきわめて小さいものの、最近では「シリコンキャパシタ(シリコンコンデンサ)」が急速に注目を集めている。それぞれの特徴を以下の表にまとめた。
これら4種類のコンデンサを定格電圧と静電容量で分類してみよう。ここではマウザー・エレクトロニクスのコンデンサ製品選択用ウェブページを参考にした。
セラミックコンデンサのカバー範囲は、かなり広い。静電容量が0.01pF〜470μF、定格電圧が直流2.5V〜直流20kV、である。小容量品と大容量品は定格電圧が低い。例えば0.01pF品の定格電圧は最大6.3V、470μF品の定格電圧は最大25Vである。また定格電圧が直流10kVと高い品種では、静電容量は最大0.01μFになる。
フィルムコンデンサのカバー範囲は、静電容量が10pF〜1600μF、定格電圧が交流10V〜交流5kV、直流10V〜6kVである。セラミックよりも容量が大きい。定格電圧が最大で直流6kVと高い品種は、容量が最大で0.1μFとなる。容量が1600μFと大きな製品では、定格電圧は直流で最大1200Vに下がる。
アルミ電解コンデンサのカバー範囲は、静電容量が0.1μF〜2.2F、定格電圧が直流2.5V〜直流500Vである。定格電圧は低いものの、非常に大きな容量を実現していることが分かる。定格電圧が500Vと高い品種の最大容量は15000μFとなる。容量が2.2Fと極めて大きな製品の定格電圧は、最大で直流10Vとかなり低い。
シリコンキャパシタのカバー範囲は、静電容量が0.05pF〜0.1μFとかなり小さい。定格電圧は直流10V〜直流200Vである。容量が0.1μFと最大品種の定格電圧は16Vと低い。定格電圧が直流200Vと高い品種の容量は最大で1pFと小さい。
(次回に続く)
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