ニュース
富士通とQualcomm、3Gbps超のデータ通信に成功:サブ6GHz帯の2波を束ねたCAを用い
富士通とQualcomm Technologiesは、5G(第5世代移動通信)通信帯域によるキャリアアグリゲーション(CA)を用いて、ピーク通信速度3Gビット/秒(bps)を超えるデータ通信に成功した。
高度で快適なネットワーク環境を実現
富士通とQualcomm Technologiesは2020年5月、5G(第5世代移動通信)通信帯域によるキャリアアグリゲーション(CA)を用いて、ピーク通信速度3Gビット/秒(bps)を超えるデータ通信に成功したと発表した。
今回は、富士通製の5G基地局とQualcomm製5G対応チップセット「Qualcomm Snapdragon X55 5G Modem-RF System」搭載の試験用スマートフォン間で、実験を行った。具体的には、LTE設備との連係により5G通信を行う非スタンドアロン(NSA)構成で、3.5GHz帯(n78)と4.9GHz帯(n79)の電波を束ねたキャリアアグリゲーション(4×4MIMO、256QAM、TDD)により、高速データ通信が可能なことを実証した。
通信事業者は、キャリアアグリゲーションを活用することで、高度で快適なネットワーク環境を実現でき、スムーズな動画ストリーミングやより高速なファイルダウンロード、バーチャルリアリティー(VR)技術を用いたサービスなどをユーザーに提供することが可能となる。
富士通とQualcomm Technologiesはこれまで、3GPP標準化仕様のリリース15に準拠した商用5G基地局と試験用スマートフォン間で、3.7GHz帯と28GHz帯を用いた接続検証とデータ通信試験などにも成功している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 富士通とQualcomm、ドコモ向け5G接続/通信試験を完了
富士通とQualcomm Teconologiesは2019年8月22日、商用5G(第5世代移動通信)基地局とQualcommの5G対応チップセット搭載スマートフォンで、サブ6GHz帯とミリ波帯での接続検証および、データ疎通試験に成功したと発表した。 - 5G対応スマホ向けレファレンスデザインを開発
富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)は、Qualcomm製「Qualcomm Snapdragon 865 5G Modular Platform」を用いた、Sub-6とミリ波に対応する5Gスマートフォン向けレファレンスデザインを開発した。厚み7.6mmと極めて薄い携帯端末の開発が可能となる。 - ローカル5G、NSAからSAへの移行が技術的課題に
2019年12月に日本でも制度化されたローカル5G。Nokia(ノキア)は、制度化前から、日本企業とともにローカル5Gの実証実験やエコシステム構築を積極的に行ってきた。 - クアルコム、ローカル5G社会を支える実例紹介
クアルコムジャパンは、「ET&IoT Technology 2019」で、「ローカル5G」をテーマに、パートナー企業による最新のモデムチップを搭載した通信モジュールやスモールセルなどを紹介した。 - 5G-SEP候補の勢力図、上位3社は変わらず
情報通信関連技術の調査などを行うサイバー創研は、3GPPの5G標準必須特許(5G-SEP)に関する調査を行った。 - 新型コロナの影響は不透明でもQualcommは安泰か
現在、「コンポーネント需要は、2020年後半に回復する」とされていた期待が徐々に薄れつつあるが、こうした中でQualcommは、例外的な存在となりそうだ。