ニュース
三菱電機、名古屋製作所でローカル5Gの実証実験:FA製品との通信伝送性能を検証
三菱電機は、ローカル5G(第5世代移動通信)システムと自社のFA製品を用いた実証実験を名古屋製作所(愛知県名古屋市)内で始めた。
AR/VRを活用した作業の効率化なども検討
三菱電機は2020年5月18日、ローカル5G(第5世代移動通信)システムと自社のFA製品を用いた実証実験を名古屋製作所(愛知県名古屋市)内で始めたと発表した。
同社は、通信システムに関するこれまでの研究成果や5G関連の基礎技術を活用し、ローカル5Gシステムと自社製品を組み合わせたソリューションの開発に取り組んでいる。今回、総務省から5Gシステムの実験試験局免許を取得できたため、ローカル5Gの実証実験を始めることにした。
実証実験で用いる周波数帯は、28.2G〜28.3GHz。ローカル5G基地局を介して、シーケンサーやエッジコンピュータなどFA製品同士を5G通信によって接続、5G通信の性能などについて技術的な検証を行う予定である。また、遠隔での運用保守作業支援やAR/VRを活用した作業効率化など、ローカル5Gを活用した事例の検討も予定している。
三菱電機は今後、名古屋製作所以外での実証実験も順次行うとともに、各事業所や研究所において、ローカル5G環境の整備に取り組む。また、2020年度中には情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)内に「5Gオープンイノベーションラボ」を設置し、顧客やパートナー企業との共同研究や実証実験を行う。これによって、新たなビジネスやサービスを創出していく考えである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三菱電機、電力密度136kW/Lの電力変換器を実現
三菱電機は、パワー半導体素子と周辺部品を高集積に実装する技術を開発、この技術を用いて電力密度136kW/Lの電力変換器を実現した。 - 三菱電機、薄型のKa帯対応航空機用AESA技術を開発
三菱電機は、厚みが3cm以下という薄型で、Ka帯に対応する航空機用電子走査アレイアンテナ(AESA)技術を、情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した。 - あいまいな命令でも理解!エッジAIによるHMI制御技術
三菱電機は2020年1月28日、エッジで動作可能かつ曖昧な命令でも不足情報を自動補完して理解するAI技術を開発した、と発表した。同社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を活用したもの。家電や車載情報機器のHMI(Human Machine Interface)制御技術として、2022年以降の商用化を目指す。 - IGBTとIPM主軸に売上高2000億円超へ、大型投資も実施
人口増加や経済成長、テクノロジーの発展に伴って世界のエネルギー消費量が増加を続けるなか、省エネ化/低炭素社会のキーデバイスとなるパワー半導体に注目が集まっている。今回、IGBTをはじめとするパワー半導体の主要メーカー、三菱電機の執行役員、半導体・デバイス第一事業部長、山崎大樹氏に話を聞いた。 - 三菱電機、基板実装型の金属腐食センサーを開発
三菱電機は、プリント基板に実装可能な「金属腐食センサー」を開発した。複数の金属腐食センサーを組みわせて用いると、産業用機器内の金属部品が大気中の硫黄化合物などで腐食していく状況を、段階的に検知することができる。 - 窒素注入で低抵抗を実現したトレンチ型SiC-MOSFET
三菱電機は2019年9月30日、パワー半導体素子として、独自の電界緩和構造を採用したトレンチ型SiC-MOSFETを開発したと発表した。耐圧1500V以上を確保しつつ、素子抵抗率において、従来のプレーナー型SiC-MOSFETに比べて約50%減となる1cm2当たり1.84mΩを実現したという。