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2020年3月期通期 国内半導体商社 業績まとめ新型コロナで16社が通期予想を見送り

半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2020年3月期通期業績は、米中貿易摩擦の激化や新型コロナの影響などから、12社が前年同期比減収となった。

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 半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2020年3月期通期業績は、米中貿易摩擦の激化や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などから、計12社が前年同期比減収となった。また、COVID-19の影響から「現段階では合理的な業績予想の算出が困難」などとして、計16社が2021年3月期の通期業績予想の発表を見送った。

 2020年3月期は、国内では設備投資の増加や雇用の改善によって緩やかな改善傾向が継続していたものの、米中貿易摩擦の激化や中国経済の景気減速、さらに英国のEU離脱などの影響から半導体/エレクトロニクス市場全体が厳しい状況にあった。さらに、年度末に入るとCOVID-19感染拡大によって世界中の人/モノの動きが停滞。世界経済に甚大な影響を及ぼし、なおも先行きが不透明な状況が続いている。このため国内半導体/エレクトロニクス商社の業績は、減収、減益に転じた商社が多数を占める結果となった。集計した21社のうち、売上高、営業利益ともに前年を上回る“増収増益”を達成したのは4社のみだった。

国内主要半導体/エレクトロニクス商社2020年3月期通期業績
会社名 売上高
(億円)
売上高
前年比(%)
営業損益
(億円)
営業損益
前年比(%)
マクニカ・富士エレホールディングス 5211.93 ▼0.6 144.47 ▼5.7
加賀電子 4436.15 51.5 100.14 32.3
レスターホールディングス 3795.48 84.5 66.37 47.2
丸文 2875.5 ▼12.0 23.69 ▼53.1
トーメンデバイス 2603.67 19.6 45.26 28.3
菱電商事 2300.87 ▼4.3 55.59 ▼1.2
リョーサン 2272.97 ▼9.0 31.08 ▼40.6
エレマテック 1756.54 ▼4.2 47.65 ▼24.8
立花エレテック 1705.41 ▼6.7 60.38 ▼8.5
伯東 1531.82 9.3 24.14 ▼33.7
サンワテクノス 1379.43 ▼5.1 18.46 ▼45.8
東京エレクトロンデバイス 1353.94 ▼4.0 38.1 8.1
萩原電気ホールディングス 1282.06 7.7 41.73 ▼3.4
カナデン 1265.19 2.6 36.88 ▼17.4
三信電気 1230.85 ▼16.8 19.58 ▼0.3
新光商事 1016.27 ▼12.7 16.11 ▼34.0
たけびし 742.68 ▼10.9 25.04 ▼34.8
グローセル 686.64 ▼12.3 ▼0.61
協栄産業 579.7 0.8 3.63 26.0
イノテック 311.61 4.6 16.7 ▼14.6
高千穂交易 206.16 3.6 7.88 ▼20.4
EE Times Japan編集部調べ/2019年6月4日時点

 集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカ・富士エレホールディングスも減収、減益だった。同社の集積回路および電子デバイス関連事業は、下期には5G(第5世代移動通信)インフラや高性能サーバなどへの設備投資が進み、産業機器市場でも半導体製造装置が回復傾向となるなど改善基調を見せたが、全体的には上期の景気減速の影響を受け低調な結果となった。また、COVID-19の影響については、データセンター向けサーバ、ストレージなど通信インフラ市場でメモリが伸長したものの、自動車販売台数の急減の影響などがあり、結果として同事業の売上高は前年同期比2.2%減の4599億円、営業利益は同26%減の69億円と減らしている。

 なお、増収増益となったレスターホールディングスは2019年4月、UKCホールディングスとバイテックホールディングスの経営統合によって発足。統合効果によって2020年度通期売上高が前期比84.5%増の3795億円、営業利益が同47.2%増の66億円と、ともに過去最高を記録する形となった。加賀電子も、2019年1月に子会社化した富士通エレクトロニクスの収益が通年で寄与した効果が大きく、売上高は同51.5%増の4436億円、営業利益は同32.3%増の100億円と大幅な増収増益となっている。

 集計対象21社のうち、2021年3月期の通期業績予想を発表しているのは5社のみ。ほか16社はCOVID-19の影響から「現段階では合理的な業績予想の算出が困難」などとして発表を見送っている。なお、「エレマテック」は第1四半期のみ、「サンワテクノス」は上期のみの予想を発表している。

 発表済みの2021年3月期の業績予想は厳しい見通しが大半を占めているが、東京エレクトロンデバイスは、COVID-19の影響が2020年9月ごろまで続くことを前提としたうえで、5Gサービス本格化に向けた半導体製造装置への投資再開やテレワーク拡大によるセキュリティ製品導入の加速などを背景に増収増益の予想を出している。


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