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人に優しいウェルネス照明の実証実験を開始:奈良県立医科大学が協力
京セラは、「人に優しいウェルネス照明」の開発を目的に、奈良県立医科大学の協力を得て、独自開発のLED照明「CERAPHIC(セラフィック)」を活用したシステムの実証実験を始めた。
LED照明が睡眠などに与える影響を医学的見地から検証
京セラは2020年6月、奈良県立医科大学の協力を得て、独自開発のLED照明「CERAPHIC(セラフィック)」を活用した「人に優しいウェルネス照明」の開発を目的に、実証実験を始めると発表した。
今回の実証実験は、京セラの研究開発本部メディカル開発センターが、奈良県立医科大学疫学・予防医学講座の大林賢史特任准教授や佐伯圭吾教授の協力を得て実施する。人の睡眠や覚醒リズムを調整する作用があるホルモン「メラトニン」に対し、自然光や特定のスペクトルが、どのような効果を及ぼしているかを医学的見地から検証していく。
CERAPHICは、紫色LEDを励起光とする発光デバイスを用いた照明器具/照明制御システムで、自然光に近い光や景観に適した光を提供できるという。京セラは、今回の実証実験で得られた成果をCERAPHICに反映し、2021年度中にも「人に優しいウェルネス照明」の製品化を目指す。
京セラと奈良県立医科大学は、人に優しいウェルネス照明の開発を目的に、2018年9月より共同研究を行ってきた。2019年7月からは、人間の体内時計と関連するホルモンや人の覚醒度に与えるLED照明の影響について、CERAPHICを活用した予備実験を行っている。
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