CASEからPACEへ、コロナ後に向けたルネサスの車載戦略:ソフトウェアの再利用性など強みに(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2020年10月28日、オンラインで車載事業に関する説明会を実施し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が車載市場に与える影響およびコロナ後に向けた同社のソリューションなどについて語った。
ルネサスのアナログ&パワー戦略
真岡氏は、アナログおよびパワーに関する戦略の詳細を語った。真岡氏は「Intersil、IDMの買収の結果、アナログ製品ポートフォリオをかなり拡大した」と改めて説明。その具体的な製品の種類について、下図を示した。
今回、真岡氏は特に電気自動車および自動運転領域について「非常に成長の勢いが激しい市場とみている」と言及し、車載のアナログおよびパワー半導体市場トレンドを紹介。電気自動車では、IGBTなどを中心としたパワー半導体およびバッテリーマネジメントICなどのアナログICが、自動運転では、パワーマネジメントICやレーダーMMIC、LiDARなどの需要が特に拡大しているという。また、電気自動車のシステムトレンドとしては、バッテリーシステムの安全性、電池性能の最大およびインバーターの軽量、高パワー、高効率化が挙げられると説明した。
こうしたトレンドに対してルネサスは、高い電圧測定精度のほか、MCUとバッテリーマネジメントICによるシステムでASIL-Dをサポートする安全性、ピンコンパチなファミリー製品によってさまざまなセル数のバッテリーパックに対応するスケーラビリティを強みに市場で展開するという。
また、インバーター用のパワーデバイスの特長としては、チップ内に電流や温度センシングを内蔵した高機能、「競合他社に比べも素子効率は非常に優位と認識している」という高効率、そして、従来の車載の品質に加えて独自の大電流検査によって歩留まりを改善する高品質を強調した。
ADAS領域についても、旧Intersil、IDMの製品を含んだルネサス製品の包括的なソリューションが強みとなるとしており、真岡氏は、「マイコン、SoCに加えてアナログ、パワーの製品を組み合わせることで、顧客により使い勝手よく、短期間で開発できるソリューションを提供する。より成長するアプリケーションに対してより短期間でより効率よく製品を提供できるのがWinning Comboの価値だ」と語った。
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