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ローム、側面発光タイプの超小型赤外LEDを開発:VR/MR/ARの視線追跡用途向け
ロームは、VR(仮想現実)やMR(複合現実)、AR(拡張現実)の視線追跡用途に向けた、側面発光タイプの超小型赤外LED「CSL1501RW」を開発し、サンプル出荷を始めた。
発光効率を向上、消費電力を20%以上節減
ロームは2020年11月、VR(仮想現実)やMR(複合現実)、AR(拡張現実)の視線追跡用途に向けた、側面発光(サイドビュー)タイプの超小型赤外LED「CSL1501RW」を開発し、サンプル出荷を始めた。
ゲーム機や産業分野では、VR/MR/AR機能を搭載したヘッドセットやヘッドマウントディスプレイが注目され市場が拡大。搭載される機能も進化している。ロームはこれまで、小型モバイル機器やウェアラブル機器に向けた小型チップLED「PICOLEDシリーズ」を開発しており、さまざまな用途に多くの納入実績を持つ。
新たに開発したCSL1501RWは、ピーク波長が860nmの赤外LEDで、外形寸法は1.0×0.55mmと極めて小さく、厚みも0.5mmと薄い。しかも、実装面に対して側面に発光する構造とした。このため、機器設計において高いデザイン自由度を得ることができる。
また、従来品に比べ放射強度を高めて発光効率を向上した。これにより、消費電力を0.24Wから0.18W(放射強度1mW/sr時)へ20%以上も節減できるという。VR/MR/ARの視線追跡光源として搭載すれば、ヘッドセットなどの機能をさらに高めることが可能となる。
CSL1501RWは、サンプル価格(税別)が100円。2021年3月から月産100万個体制で量産を始める予定である。
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