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赤字続きでもIntelが開発を止めない3D XPointメモリ福田昭のストレージ通信(174) アナリストが語る不揮発性メモリの最新動向(3)(2/2 ページ)

今回は3D XPointメモリ(Intelの製品ブランド名は「Optane」)の講演部分を説明する。

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NANDフラッシュの黒字を3D XPointへの投資が消費する

 3D XPointメモリの製造コスト(記憶容量当たり)は、理論的にはDRAMよりも低い。しかし生産規模が小さいことから、実際の製造コストはDRAMよりもはるかに高い状態が続いているとみられる。2018年のFMSにおいてHandy氏は講演で、Intelは市場を開拓するために3D XPointメモリを製造コスト割れで供給していると指摘していた(本コラムの第135回「次世代メモリの市場予測と3D XPointメモリの現状」)。

 IntelはNANDフラッシュメモリ事業と3D XPointメモリ事業を含めた事業部門(NSGグループ)の四半期業績(売上高と営業損益)を公表してきた。NSGグループの損益は赤字であることが多い。NANDフラッシュメモリの価格が低迷した2016年第2四半期には、利益率が−40%という恐ろしい数字を計上している。NANDフラッシュメモリのベンダーとしては、他社に比べると営業損益は見劣りする状態が続く。


NANDフラッシュメモリベンダー各社の利益率(四半期ベース)。出典:FMS 2020の講演「Annual Flash Update - The Pandemic's Impact」の配布資料(クリックで拡大)

 赤字要因の1つが、3D XPointメモリの販売収支と巨額の開発費である。Intelは現在、シングルダイの記憶容量を2倍に高めた第2世代の3D XPointメモリを開発中だとみられる。しかし現在まで、開発完了のアナウンスがない。

 2020年第1四半期の四半期業績資料には、NSGグループの収支についてNANDフラッシュメモリは利益が出ていることと、Optaneメモリに投資していることが記述されている。同期の営業損益はわずかに赤字で、利益率は−5%だった。Optaneメモリへの投資が赤字の要因になっていることがうかがえる。

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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