図研プリサイト、クレーム発生時の対応をAIが支援:電子部品企業の品質保証部門向け
図研プリサイトは、AI(人工知能)技術を用いてクレーム発生時の初期対応を迅速に行うための初動強化ソリューション「Qualityforce(クオリティーフォース)」を開発し、2021年4月より販売する。このソリューションは電子部品メーカーの品質保証部門を対象としている。
過去クレームの症状や原因、対策をAIが分析し即座に対応
図研プリサイトは2021年3月、AI(人工知能)技術を用いてクレーム発生時の初期対応を迅速に行うための初動強化ソリューション「Qualityforce(クオリティーフォース)」を開発、2021年4月から販売すると発表した。このソリューションは電子部品メーカーの品質保証部門を対象にしている。
同社はこれまで、電子部品メーカーの協力を得て、品質保証部門における課題や要求のヒアリング、業務分析を行ってきた。そして、「クレーム発生時の対応スピードと精度の向上」を実現するためのソリューションを新たに開発した。自然言語領域のAI技術を活用して、ユーザーから寄せられるクレームに対して、適切な初動を支援するシステムである。
Qualityforceは、部品メーカーが蓄積している過去クレームのデータベースについて「症状や原因、対策」をAIが分析する。その上で、新たに寄せられたクレームに対する「責任の所在」や「原因の推定」「取りうる対策とその根拠」を即座に示す。これによって、適切な初動対応を可能にした。
具体的には、新たに寄せられたクレーム内容をコピー&ペーストしてシステムに入力すると、過去のクレーム情報から類似したクレームを瞬時に抽出して表示する。これによって、クレーム対応に必要な情報を簡単に探し出すことができる。
検出した過去の類似クレーム情報は、AIによって「原因別」や「製品別」「製造工場別」などに自動で分類され、分かりやすくグラフで表示される。各クレームには内容が一目で分かるよう「はんだ不良」や「外観不良」といったタグが自動で付与される。
クレーム発生やその対応状況などの情報は、関係者に自動で共有される。これにより、テレワークやリモートワークなど、関係者同士が離れている作業環境であっても、連携漏れを防ぐことができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 菱洋エレクトロ、NVIDIA Jetson TX2モジュール販売
菱洋エレクトロは、AI組み込みプラットフォームとしてNVIDIA製「NVIDIA Jetson TX2 NXモジュール」の販売を始めた。高い性能を小型サイズのモジュールで実現している。 - PALTEK、エッジAI向けハードIPのEdgeCortixと提携
PALTEKは、EdgeCortixと販売代理店契約を結んだ。ザイリンクス製アクセラレーターカードに、EdgeCortixが開発したエッジデバイス用推論プロセッサ向けハードウェアIPを実装し、省スペースや低電力化を必要にするエッジAI用途に提案していく。 - 進化する義手、AI搭載で動きが大幅に改善
反復行動から学ぶAI(人工知能)で動く義手が開発された。この義手を装着すれば、手を失った人々は、握ったりジェスチャーしたりするといった行為を無限にできるようになる。 - フィックスターズ、エッジAIのクラウド開発環境
フィックスターズは、コーティングなしで高速かつ低消費電力のエッジ向けAIアプリケーションを開発できる、クラウド開発環境「GENESIS DevEnv」の販売を始めた。 - “天才設計者”Jim Keller氏がAI新興企業のCTOに
著名なチップ設計者アーキテクトのJim Keller氏が、カナダのAI(人工知能)チップ新興企業Tenstorrentに社長兼CTO(最高技術責任者)として入社した。Tenstorrentの取締役会にも加わる予定だ。Keller氏は、過去にAMD、Intel、Tesla、Appleなどに勤務したことがあり、長いキャリアの中で多くの実績を残している。 - AIと商用宇宙開発分野、2020年後半の投資額が急増
AI(人工知能)と商用宇宙開発のスタートアップは、積極的な技術投資家が2020年後半に最も投資した分野である。株式投資ウェブサイト「Buyshares.com」は2020年のクリスマス休暇の直前に、AIスタートアップが過去6カ月間に99億米ドルのベンチャー資金を集めたと報告した。