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次世代高速通信向け低伝送損失多層基板材料を開発:伝送損失を従来比で約30%改善
パナソニック インダストリー社は、従来品に比べ伝送損失を約30%改善した多層基板材料「MEGTRON 8(メグトロン エイト)」を開発した。800Gビットイーサネットなど、大容量化や高速化が進む次世代高速通信技術に対応する。
低誘電正接ガラスクロスと低粗度銅箔の複合化技術で実現
パナソニック インダストリー社は2022年1月、従来品に比べ伝送損失を約30%改善した多層基板材料「MEGTRON 8(メグトロン エイト)」を開発したと発表した。800Gビットイーサネットなど、大容量化や高速化が進む次世代高速通信技術に対応する。
MEGTRON 8は、独自の樹脂設計と材料配合技術をベースに、低誘電正接のガラスクロスと低粗度の銅箔(はく)を複合化する技術によって低伝送損失を実現した。電気信号を効率よく送ることができるため、機器の電力消費を低減することも可能となる。
MEGTRON 8は、高い耐熱性や絶縁信頼性に加え、高いガラス転移温度と熱分解温度を備えている。このため、20層を超えるような多層基板においても、高温環境下で高い信頼性を実現した。また、材料として熱硬化性樹脂を用いているため、同社従来材料と同等の回路基板プロセスで製造することができるという。
MEGTRON 8は、絶縁性物質内部における電気エネルギー損失の度合いを示す誘電正接(Df)が「0.0012」の「R-5795(U)」と、「0.0016」の「R-5795(N)」を用意している。
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