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SMIC、中国での強い需要で競合を圧倒する成長米国による制裁で制限がある中

2021年、中国最大の半導体メーカーであるSMICの売上高は、国内需要の強さによって前年比39%増の54億米ドルと、競合ファウンドリーを上回る成長を示した。

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 2021年、中国最大の半導体メーカーであるSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)は、国内需要の強さによって他のファウンドリーを上回る成長を示した。

 同社の2021年売上高は前年比39%増となる54億米ドルだった。TSMCの前年度からの増加率が18.5%なので、その2倍以上の増加率を示したことになる。他の上位ファウンドリーとも同程度の差をつけた。

 SMICは、世界最大かつ最も急速に成長している中国半導体市場の強い需要から利益を得た。通信大手のHuaweiをはじめとする中国のエレクトロニクス企業は、SMICなどの地元のサプライヤーを頼るようになっている。その背景には、米国と中国が技術を巡り争い合う中、米国がTSMCによるHuaweiへの先端製品の出荷を阻止したことがある。

 SMICは報道発表で「世界的な半導体不足と現地生産への強い需要は、SMICに絶好の機会をもたらした。一方、エンティティリストの制限によって、SMICの開発活動に数多くの障害がもたらされた。SMICはそうした問題にうまく対処し、困難に的確に立ち向かい、健全な業績を達成することができた」と述べた。

 米国商務省は2020年8月、米国の高度な半導体技術を購入するに当たり輸出許可を得ることが求められる企業を掲載したエンティティリストに、Huaweiの関連会社38社を追加した。この規定は、特にHuaweiと同社の半導体設計部門HiSiliconをターゲットにしたものだった。2020年の時点でHiSiliconはTSMCにとって2番目に大きい顧客だった。米国は2020年後半に、SMICもエンティティリストに加えている。

 米国は主要な半導体技術の中国への輸出を禁止し、米国が有する世界最速の極超音速ミサイル開発のノウハウを用いた疑いのある中国企業をブラックリストに載せた。

成長の推進力

 スマートフォン、スマートホーム向け製品、その他の家電は、SMICの成長における最大の推進力だった。SMICの最先端のプロセス技術である28nm FinFETは、2021年第4四半期の売上高の18.6%を占めた。

 SMICの28nm技術は、最大手ファウンドリーのTSMCより数世代遅れている。TSMCは2021年第4四半期の収益の半分を7nmと5nm製品から得ており、2022年に入ってからは4nm生産を増強している。

 SMICは、2022年に50億米ドルを投じて既存製造施設を拡張する計画である。また、3つの新たな製造施設に関連したプロジェクトを開始する予定だ。

 これに対し、TSMCは需要の高まりに応じるため、2022年に設備投資を440億米ドルに増やす計画だ。同社は、需要が今後数年間で最大20%成長する可能性があると考えている。

 SMICの売上高成長率はTSMCを超えているが、2021年第4四半期のSMICの粗利益率は35%で、同時期のTSMCの53%には及ばなかった。

 SMICは最近、何度か経営陣の交代を経験している。2021年には、事業が好調にもかかわらず複数の役員クラスの辞任を発表した。業界のベテランであるChiang Shang-Yi氏は2021年、バイスチェアマンを辞任した。エグゼクティブディレクターと共同CEO(最高経営責任者)を務めていたLiang Mong Song氏は、会社の経営に専念するためにエグゼクティブディレクターを辞任した。両氏は、かつてTSMCの研究開発のトップとして活躍していた。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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