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Micron、2022年末までに232層3D NANDを製造開始CXLメモリについても言及(3/3 ページ)

Micron Technology(以下、Micron)の幹部は5月12日(米国時間)、投資家向け説明会「Mircon Investor Day 2022」で、2022年末までに第6世代の232層3D(3次元)NAND型フラッシュメモリの製造を開始する計画など、同社の展望について語った。

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3D XPointからCXLメモリに方針転換

 最近注目すべきMicronの動きとしては、CXL向けソリューションの開発を念頭に、3D Xpoint市場から離脱したことが挙げられる。Sadana氏は、特定の製品に関する詳細は明かさなかったが、「2022年末には、概念実証(PoC)向けにCXL 1.1の導入が開始される見込みだ」と述べている。

 「2024年後半にCXL 2.0が導入されるタイミングで、CXLメモリが実際に導入されるようになるだろう。また、CXL 3.0規格により、メモリプーリングが極めて現実的かつ実用的な方法で実現できるようになれば、その勢いはさらに加速するとみられる。メモリプーリングおよびメモリディスアグリゲーションは、当社の顧客企業が探し求めている、非常に重要な側面だと言える」(Sadana氏)

 さらに重要なのが、プロセッサに接続可能なメモリ量を増やすことだ。これは最終的に、CXLが非常に物質的な方法で実現することにより、サーバの平均的なDRAM量の増加につながるとみられる。

 Micronは、新しい価格設定モデル「FPA(Forward Pricing Agreement)」を立ち上げているため、DRAMの価格は、顧客企業ごとにそれぞれ異なる価格設定に応じて決定される見込みだ。FPAは、現在のように価格ではなく量をベースとした長期契約を締結するのではなく、量と価格の両方をベースとして価格を設定する。これまでは価格変動によって収益が生み出されていたが、FPAでは、価格設定の変動を低減することを目指すという。

 Micronは、エネルギー価格の高騰など、インフレに関連した強力な逆風に直面したタイミングで、この新しい価格設定モデルを導入したという。これは、半導体業界全体が、ツールへの資本投資を行うことにより、既存のサプライチェーン問題を回避して需要に応えようとしているのとよく似ている。例えば、運用上の問題を予測するためのサポートを提供するAI/ML(機械学習)プラットフォームなども、そこに含まれる。

 Micronのグローバルオペレーションズ部門担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるManish Bhatia氏は、「当社の技術開発や製造部門、機器メーカー各社との間で協業体制を構築することにより、製造拡大の初期の段階で、プロセスや機器の変化を確認して対応することが可能になる」と述べる。

 「高額な設備投資を行っている期間中に特に重要なのが、さらなる生産性向上を実現することだ。Micronは、スマート生産の実現に向けた取り組みによって、予知保全の実行によるツールスループット/アップタイムの向上など、生産性を高めることができた」(Bhatia氏)

 同氏は、「現在、装置の納品遅れや、リードタイムの延長などが増加している。このためMicronにとって、装置の生産性を向上させることにより、最先端技術の生産性向上を順調に維持しながら、顧客企業への迅速な供給を実現することがますます重要になってきている」と続けた。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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