TI、Bluetooth LEワイヤレスマイコンを発表:競合比半額でBLE実現可能
テキサス・インスツルメンツ(TI)は、Bluetooth Low Energyワイヤレスマイコン「SimpleLink Bluetooth LE CC2340ファミリー」を発表した。クラス最高のスタンバイ電流やRF性能を備えつつ、競合するデバイスの半額でBluetooth Low Energyに対応する機能を実現できるという。
価格は競合するデバイスの半額、日本円での支払いも可能
テキサス・インスツルメンツ(TI)は2022年6月、Bluetooth Low Energyワイヤレスマイコン「SimpleLink Bluetooth LE CC2340ファミリー」を発表した。クラス最高のスタンバイ電流やRF性能を備えつつ、競合するデバイスの半額でBluetooth Low Energyに対応する機能を実現できるという。
CC2340ファミリーとして今回発表したのは、内蔵したフラッシュメモリの容量が256kバイトの「CC2340R2」と、512kバイトの「CC2340R5」である。これらの製品には、容量が36kバイトのRAMを搭載しており、無線(OTA)ダウンロード機能によってソフトウェアのリモートアップデートも容易に行うことができる。
スタンバイ電流は830nA未満と極めて小さく、競合するデバイスに比べると40%も抑えることができたという。これによって、電子棚札やタイヤ空気圧監視システムなどの用途では、コイン電池1個で最大10年間も動作させることが可能となった。
出力電力は最大+8dBmで、RF性能の強化と接続範囲の拡大を可能にした。さらに、RFバランを内蔵したことで、外部に用いる部品点数の削減が可能になり、設計の簡素化とコストの低減につながるという。動作温度範囲は−40〜125℃と広い。このため、産業用センサーや医療用実験機器をはじめ、EV(電気自動車)充電器やスマートメーターのような屋外環境にも用いることができる。
CC2340ファミリーの価格は、1000個購入時の単価が0.79米ドルから、となっている。TIウェブサイトを利用すると日本円での支払いも可能である。量産開始は2023年上半期の予定。また、Bluetooth LEの接続評価を短時間で行える「SimpleLink CC2340 LaunchPad開発キット」なども用意している。
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