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センサー内で学習、推論できる6軸慣性測定ユニットembedded world 2022(2/2 ページ)

STMicroelectronicsはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日)に出展し、インテリジェントセンサープロセッシングユニット(ISPU)搭載の6軸慣性測定ユニット(IMU)「ISM330IS」のデモなどを展示していた。

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小型軽量の65W USB-Cチャージャーを実現

 この他、ブースでは同社のGaN(窒化ガリウム)製品およびデジタルコントローラーの新製品「ST-ONE」を用いた小型軽量の65W USB-Cチャージャーソリューションなどを紹介していた。

 ST-ONEは、同社が2022年6月20日(スイス時間)に発表したデジタルコントローラーの新製品だ。USB Power Delivery(USB-PD)対応チャージャー向けの製品で、同社は「新しい非補完型(Non-complementary)アクティブクランプフライバックトポロジーに基づく設計に最適化されており、疑似共振フライバックなど他のトポロジーよりも高効率で、65W以上の高出力を可能にする」としている。

 ST-ONEはArmの「Cortex-M0+」ベースのプログラマブルオフライン電源コントローラーや高電圧スタートアップ回路、同期整流コントローラーおよびUSB-PD回路などを1パッケージに統合。説明担当者は、「本製品はUSB-PD対応チャージャー向けに特別に設計したもので、USB-PDプロトコルを含むUSB-PDの設計に必要な全機能を搭載し、USB-PD 3.1にも完全準拠している。USB-Cとデジタルコントローラーを1パッケージに統合した製品は他にないだろう」と説明していた。

 また、アクティブクランプフライバックコントローラーや高電圧スタートアップを搭載する1次側と、マイコンやUSB-PD通信を制御するのに必要な機能を搭載する2次側は、電気的に絶縁(ガルバニック絶縁)されており、「1次側と2次側の回路は安全要件を満たした上で通信を行える」としている。

 同社はこのST-ONEと、2個のGaN(窒化ガリウム)パワートランジスタを集積したSiP(Silicon in Package)「MasterGaN」を組み合わせて使用することで、小型軽量のUSC-PD対応チャージャーを実現すると説明。ブースではそのリファレンスデザイン「EVLONE65W」を用いたデモを展示していた。


ST-ONEとMasterGaNを搭載したリファレンスデザイン「EVLONE65W」(中央上)のデモ[クリックで拡大]

 EVLONE65Wは、ST-ONEおよびMasterGaNの搭載により、標準的な20Wのスマートフォン充電器と同サイズ/重量(37cm3で70g未満)を実現した65W USB-Cアダプター。1cm3当たりの電力は1.8W以上と、「世界最高の電力密度を実現している」という。

ST-ONEとMasterGaNの組み合わせによるUSB-Cチャージャーの特長。[クリックで拡大]

 説明担当者は、「高効率による大幅な省エネルギー化および、小型化によるコンポーネント数の削減や回路の簡易化が実現できる。また、ST-ONEのデジタル制御によって、従来よりも高速に充電可能だ」と語っていた。


従来のシリコンパワー半導体を用いたアダプター(左)と、ST-ONEとMasterGaNを用いたソリューションの比較。[クリックで拡大]

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