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M&Aを乗り越えた、拡張メモリ「HyperRAM」最新世代の強みSpansionまでさかのぼる技術(2/2 ページ)

Infineon Technologiesが、拡張メモリ「HyperRAM」の最新世代となる「HyperRAM 3.0」を発表した。HyperRAMのルーツは、2014年後半にCypress Semiconductorに合併されたSpansionまでさかのぼる。HyperRAMはもともと、2015年初頭に、SoC(Systen on Chip)およびMCU向けのコンパニオンRAMデバイスとして開発された製品だ。当初のHyperRAM技術開発は、それ以前に行われていたHyperBus/HyperFlash技術関連の先行研究によってもたらされたものだ。

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進化を続けるHyperRAM

 HyperRAM 3.0は、512Mビット品が最初に登場して以降、密度を向上させており、現在ではハイエンドで利用可能だ。新しいHyperBus拡張インタフェースをサポートし、800Mバイト/秒のデータレートを実現する。また、車載向け電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q100」に準拠し、使用温度範囲が125℃までの産業用および自動車用グレード品も用意。BGA-49パッケージ品として提供されている。

 HyperRAMの第1世代と第2世代の間には、大きな違いがある。2021年に発表された「HyperRAM 2.0」は、Octal xSPIと、最大データレート400Mバイト/秒を実現するJEDEC準拠のHyperBusインタフェースの両方をサポートした。初代の64Mビット HyperRAM 1.0は、HyperFlashと同じ速度で通信を行い、読み取りスループットが最大333Mバイト/秒、アレイRead/Writeレイテンシが36ナノ秒である。

 これらをHyperBusインタフェース上で組み合わせることにより、合計ピン数を40本から12本に削減することが可能になる。ピン数が少ないということは小型パッケージであることを意味するが、サイズの縮小幅は、ユースケースや必要な追加機能/特性によって異なる場合がある。

 HyperRAM 3.0の典型的なユースケースとしては、記憶密度256Mビット、データバス幅16ビット、寸法8×8mmのBGA-49を使用する産業環境における、グラフィックス/ディスプレイシステムやエッジAI処理などが挙げられる。Singh氏は、「Infineonは、クロック速度を上げずにデータ伝送速度を2倍に高めることに成功した」と主張する。


HyperRAMの典型的なユースケースとしては、産業/民生分野のグラフィックス/ディスプレイシステムやエッジAI処理などがある[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

 またSingh氏は、「HyperRAMは、複雑化の一途を遂げるDDR4/DDR5 DRAMの間のギャップを埋めることができる。一方でDDR3以下は、メンテナンスモードの状態にある。DDRメーカーは現在、技術ノードのさらなる微細化/高性能化/高密度化に向かって前進しているところだ」と付け加えた。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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