TI、MCU向けMatterプロトコル対応のSDKを発表:バッテリーの消費をさらに低減
テキサス・インスツルメンツ(TI)は、同社のワイヤレスマイコン(MCU)に向けたMatterプロトコル対応の「ソフトウェア開発キット(SDK)」を発表した。
Threadアプリでは、スタンバイ消費電力を最大70%も削減
テキサス・インスツルメンツ(TI)は2022年11月、同社のワイヤレスマイコン(MCU)に向けたMatterプロトコル対応の「ソフトウェア開発キット(SDK)」を発表した。
今回発表したSDKは、「Wi-Fi」や2.4GHz帯の短距離無線通信規格「Thread」を用いるSimpleLinkワイヤレスマイコンに向けた製品で、Thread 対応の「LP-CC2652R7」と、Wi-Fi対応の「LP-CC3235SF」を用意した。これにより、スマートホームなどIoT(モノのインターネット)市場で注目されている「Matter」プロトコルの導入を効率よく行うことができるという。
TIによれば、同社のワイヤレスマイコン「CC3235SF」や「CC2652R7」を採用すると、Threadアプリケーションの場合、競合デバイスに比べスタンバイ消費電力を最大70%も削減できるという。この結果、5秒間隔のポーリングで、バッテリーの動作期間を最大4年に延長することが可能となった。長距離通信が必要な用途では、ワイヤレスマイコンに内蔵した高効率パワーアンプによって、消費電流101mAで+20dBmの出力を実現しており、バッテリーの消費をさらに抑えることができる。
Matter対応のWi-Fiアプリケーションでも、デュアルバンド、多層セキュリティアプローチを活用することで、外部部品を追加することなく、サイバー攻撃などからもデバイスのデータを保護することができる。価格は、LP-CC2652R7が39.99米ドル、LP-CC3235SFが54.99米ドルとなっている。
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