床面積は従来比3分の1、連結できるメモリテストセル:全く新しいコンセプトで開発
アドバンテストは「SEMICON Japan 2022」(2022年12月14〜16日、東京ビッグサイト)で、メモリテストセルの新シリーズ「inteXcell(インテクセル)」など、主に直近3カ月に発表した新製品群を紹介した。【修正あり】
アドバンテストは「SEMICON Japan 2022」(2022年12月14〜16日、東京ビッグサイト)で、メモリテストセルの新シリーズ「inteXcell(インテクセル)」など、主に直近3カ月に発表した新製品群を紹介した。
inteXcellは、DRAMやNAND型フラッシュメモリの後工程におけるテスト装置で、設置面積(床面積)を従来の3分の1と大幅に削減したことが最大の特長だ。inteXcellは、セル1台当たり384個のデバイスを測定可能。4台まで連結できるので、最大1536個のデバイスを同時にテストすることができる。
既存のメモリテストセルは一般的にハンドラーとテスターで構成され、最大512個のデバイスを同時に測定することができる。アドバンテストの説明担当者は「測定できる最大デバイス数は、旧世代の装置から128個、256個、512個と、2倍ずつ移行してきた。つまり、次世代機は1024個のデバイスに対応することになるが、装置のサイズも2倍、価格も2倍になってしまうことが課題だった」と説明する。「inteXcellは、“倍にしていく”という従来のアプローチにこだわらず、コンセプトを刷新した、全く新しいメモリテストセルになる」(アドバンテスト)
inteXcellは、1セル当たりの最大測定デバイス数は384個と少なくなったが、4セルまで任意に連結できるので、テストするメモリの品種や量に合わせて柔軟にシステムを構成できるようになる。
さらに、従来の512個対応のテストセル1台と同様の床面積に、2セルが収まる。具体的には、512個のテストセルの床面積が24.6m2なのに対し、inteXcell2セル分の床面積は19.5m2になる。つまり、これまでよりも小さい面積で、768個(384個×2セル)をテストできるようになるのだ。これほどコンパクトにできたのは、アドバンテストがテスター、ハンドラー、デバイスインタフェースの全てを手掛けているからだと、同社は説明する。そのため、「伝送系と制御系を統合し、省スペース化を実現できた」(同社)
スケーラブルなことも特長だ。「エンジニアリング評価で使用するときには1セルから始めて、量産展開するときには、オンサイトで連結していく、という使い方もできる」(アドバンテスト)
inteXcellは、複数セルの構成でも、各セルを非同期でテストすることもできる。例えばメモリの温度評価を行う場合、2セル構成にして、1セル目で高温の試験、2セル目で低温の試験を行うことが可能だ。アドバンテストは、「従来は何度もデバイスを出し入れして温度評価を行う必要があったが、1度、テストセルにデバイスをセットすれば、高温、低温、両方のテストが終了する」とその利点を語る。
非同期でテストできる利点は他にもある。1セルで不具合が起きても、他のセルでテストを継続できることだ。「量産時にエラーが起き、メンテナンスのために1週間テストが止まってしまうと生産に大きな影響を与える。inteXcellのようなセル構成であれば、ダウンタイムをできるだけ抑えることが可能になる」(アドバンテスト)
inteXcellの初号機は、2023年4〜6月期に出荷する予定だ。
※訂正:2022年12月26日14時15分 当初、本記事には2枚の画像を使用しておりましたが、アドバンテストからの申し出により削除しております。
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