ローム、1608サイズ対応のSWIRデバイスを開発:ポータブル/ウェアラブル機器向け
ロームは、1608サイズ(1.6×0.8mm)に対応可能な短波長赤外(SWIR)デバイスの量産技術を確立した。この技術を用いた「SWIR LED」(発光側)とSWIRフォトダイオード(受光側)は、2023年3月よりサンプル出荷を始める予定。
SWIR LED10機種、SWIRフォトダイオード4機種を投入
ロームは2023年2月、1608サイズ(1.6×0.8mm)に対応可能な短波長赤外(SWIR)デバイスの量産技術を確立したと発表した。この技術を用いた「SWIR LED」(発光側)とSWIRフォトダイオード(受光側)は、2023年3月よりサンプル出荷を始める予定。ポータブル機器やウェアラブル機器などのセンシング用途に向ける。
SWIRは、発光波長範囲が1000〜2500nmの光である。測定対象となる物質によって、特定の赤外線波長を透過させたり吸収したりする。こうした特性の違いを活用することで、水や氷、ガスなどの有無や成分量を検知することができる。また、血中酸素飽和度や血糖値の測定、野菜や果物の水分量や糖度測定などが可能となる。これらのセンシング用途に、発光製品や受光製品が用いられるという。
新製品は、ウェアラブル機器など小型機器への実装要求に応えて開発した。SWIR LEDは、物質ごとで異なる検出波長に合わせ、発光波長が「1050nm」や「1200nm」「1300nm」「1450nm」「1550nm」と、5種類の波長帯を用意した。パッケージは1608サイズで、一般的な「モールドタイプ」に加え、発光指向性を狭め放射強度を高めた「レンズタイプ」でも提供する。これにより、供給する製品群は10機種となる予定。
SWIRフォトダイオードは、受光径(光検知部)のサイズが2種類、パッケージは1608サイズと20125サイズのモールドタイプ2種類で、合計4種類の製品を用意する。受光径は、光の検知面積が少ないと応答速度は速くなり、検知面積が広いと感度が高くなる。このため、センシング用途に応じて選べるようにした。
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