ルネサス、32ビットマイコン「RA4E2/RA6E2」を量産:RAファミリーにエントリー品を追加
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RAファミリー」として、新たにエントリー品の「RA4E2」と「RA6E2」を追加し、量産を始めた。センシングやPC周辺機器、ウェアラブル機器などの用途に向ける。
用途はセンシングやPC周辺機器、ウェアラブル機器など
ルネサス エレクトロニクスは2023年3月、32ビットマイコン「RAファミリー」として、新たにエントリー品の「RA4E2」と「RA6E2」を追加し、量産を始めた。センシングやPC周辺機器、ウェアラブル機器などの用途に向ける。
RA4E2とRA6E2は、「Arm Cortex-M33」コアと「Arm TrustZone」技術を搭載している。RA4E2は最大動作周波数が100MHzで、最大128kバイトのフラッシュメモリと、40kバイトのSRAMを内蔵した。しかも、100MHzでフラッシュメモリを実行しながら、アクティブモードで82μA/MHzという低消費電流を実現した。
パッケージは端子数が32〜64端子で、外形寸法が4×4mmの小型品を含め5種類を用意した。動作温度範囲は−40〜105℃と広い。通信インタフェースは、USB 2.0フルスピードやSCI、SPI、I3C、HDMI CEC、SSI、CAN FDに対応する。
一方、RA6E2は最大動作周波数が200MHzである。フラッシュメモリの容量は256kバイトまたは128kバイトを内蔵する。搭載したSRAMは40kバイトである。200MHz動作中のアクティブモード消費電流は80μA/MHzを実現した。対応する通信インタフェースはUSB 2.0フルスピードやSCI、SPI、I3C、HDMI CEC、SSI、CAN FD、QSPIなどである。
この他、両製品ともオシレーターやGPIO、A-Dコンバーター、D-Aコンバーター、低電圧検出、内部リセット機能、タイマー機能などを集積している。
新製品を含め、全てのRAファミリーはルネサスが提供する「Flexible Software Package(FSP)」でサポートされている。各種ドライバーやミドルウェアを活用すれば、通信機能なども容易に実装することができるという。さらに、RA6E2とルネサス製品を組み合わせた「音声ユーザーインタフェース(VUI)機能拡張ソリューション」なども、ウィニング・コンビネーションの1つとして用意している。
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