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スタンドアロン アクティブEMIフィルターICを発表高電力密度の電源設計をサポート

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、スタンドアロンのコモンモードAEF(アクティブEMIフィルター)ICを発表した。車載システムや産業機器における高電力密度の電源設計をサポートする。

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搭載するコモンモードチョークコイルの大きさを半分に

 テキサス・インスツルメンツ(TI)は2023年3月30日、スタンドアロンのコモンモードAEF(アクティブEMIフィルター)ICを発表した。車載システムや産業機器における高電力密度の電源設計をサポートする。

 TIは、電源設計における重要課題として、「低EMI」や「電力密度」「低IQ」「低ノイズと高精度」「絶縁」の5つを挙げる。特に、電源システムの小型化やスイッチング周波数が高くなる中で、AEF ICは低EMIと高電力密度の実現に貢献できるという。

 AEF ICとして今回発表したのは、産業用途向け製品の「TPSF12C1」(単相)と「TPSF12C3」(三相)、車載用途向け製品の「TPSF12C1-Q1」(単相)と「TPSF12C3-Q1」(三相)である。新製品を用いると、単相と三相AC-DC電源システムにおいて、周波数が100k〜3MHzの範囲にあるコモンモードEMI(電磁干渉)を検出し、ノイズ波形と逆位相の波形を作り出す。これをノイズキャンセル電流として電源ラインに注入することでノイズを打ち消し、コモンモードEMIを最大30dBも低減することができるという。

 この結果、システム設計者はコモンモードチョークコイルのインダクタンス値を最大80%も削減することが可能となり、搭載するチョークコイルの大きさは従来の半分で済むことになる。もちろん、電子デバイスのEMIを制限するCISPR(国際無線障害特別委員会)で規格化されている産業用途向けの「CISPR 11」や「CISPR 32」、車載用途向けの「CISPR 25」に適合している。雷サージ試験規格「IEC 61000-4-5」の要件も満たしている。このため、電圧抑制のために外付けしていたTVSダイオードが不要となる。

右側のボードはAEF ICを採用し、搭載するチョークコイルのサイズを大幅に小型化 出所:TI
右側のボードはAEF ICを採用し、搭載するチョークコイルのサイズを大幅に小型化 出所:TI

 新製品は、外形寸法が4.2×2mmの14端子SOT-23で供給する。TI.comより量産前のサンプル品を入手することができる。1000個購入時の参考単価は0.78米ドルから。量産は2023年第2四半期より始める予定である。なお、評価用基板として「TPSF12C1QEVM」と「TPSF12C3QEVM」を用意した。TI.comより75米ドルで購入することができる。

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