PrestoMOSの新シリーズ、ロームが3製品を発売:低ノイズと高速逆回復時間を両立
ロームは、耐圧600VのSuper Junction MOSFETとして、新たに「R60xxRNxシリーズ」3製品を発表した。冷蔵庫や換気扇など、ノイズ対策が求められる小型モーターの駆動用途に向ける。
小型モーター搭載機器のノイズ対策や電力損失低減を可能に
ロームは2023年3月、耐圧600VのSuper Junction MOSFETとして、新たに「R60xxRNxシリーズ」3製品を発表した。冷蔵庫や換気扇など、ノイズ対策が求められる小型モーターの駆動用途に向ける。
ロームは、「PrestoMOS」と呼ぶ、業界最速の逆回復特性を有するSuper Junction MOSFETを2012年に開発し量産を行ってきた。今回発表したR60xxRNxシリーズは、構造を最適化したことで、業界トップクラスのノイズ特性と業界最速の逆回復時間を両立させたという。
具体的には、従来のライフタイム制御技術を改良し、40ナノ秒という高速の逆回復時間を達成した。これにより、スイッチング損失を従来に比べ約30%も抑えることが可能となった。また、独自開発のSuper Junction構造により、ノイズ特性を一般品に比べ約15dBも低減できるという。
新製品は、ドレイン電流や許容損失など、仕様の違いにより、「R6004RND3」「R6007RND3」「R6009RND3」の3製品を用意した。パッケージは外形寸法が6.6×10.0×2.3mmのTO-252で供給する。サンプル価格(税別)は500円。2023年3月からインターネット販売も始めた。チップワンストップやコアスタッフオンラインなどのサイトから購入することができる。今後は、新たなパッケージでの供給や、低オン抵抗品の開発も行う計画である。
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