ルネサスのクラウド開発キット、Azureに対応:RAマイコンとRXマイコン用
ルネサス エレクトロニクスは、セルラーLTE Cat-M1対応のIoT開発プラットフォーム「クラウド開発キット」を、マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス「Microsoft Azure」に対応できるようにした。
ワイヤレスIoT機器をクラウド経由で容易に管理
ルネサス エレクトロニクスは2023年4月、セルラーLTE Cat-M1対応のIoT開発プラットフォーム「クラウド開発キット」を、マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス「Microsoft Azure」に対応できるようにしたと発表した。これによりユーザーは、クラウド経由でワイヤレスIoT機器を容易に接続し管理できるという。
今回対応したクラウド開発キットは、32ビットマイコンRAファミリー用「CK-RA6M5」とRXファミリー用「CK-RX65N」の2製品。これらのキットには、LTEセルラーIoTモジュール「RYZ014A」が同梱されている。これを活用することで、ゲートウェイがなくてもクラウドサービスにワイヤレス接続することが可能となった。
しかも、最新の「Embedded Wireless Framework」を標準サポートしていて、安全にクラウド接続を行うことができる。Microsoft AzureのIoTプラグアンドプレイ認定も取得している。このため、埋め込みコードを1行も書くことなく、Azure IoT Hubに接続できるという。
クラウド開発キットには、6個のオンボードセンサーやUSB FSコネクター、USB-UARTシリアルコンバーター、2個のPmodコネクター、電源端子などを搭載した「マイコンボード」や、RYZ014Aの「Pmod拡張ボード」「SIMカード」および、「アンテナ」が含まれる。また、RA6M5/RX65Nマイコンには、独自のSecure Crypto Engine 9(SCE9)やTrusted Secure IP(TSIP)といった、ハードウェアベースのセキュリティエンジンが搭載されている。さらに、ソフトウェアベースのIoT暗号化プラットフォームも実装することが可能だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサス、NFC技術のPanthronicsを買収へ
ルネサス エレクトロニクスは、2023年3月、NFCチップセットやソフトウェアなどを手掛けるオーストリアのPanthronicsを買収すると発表した。モバイル決済端末、IoT、ワイヤレス給電などで高成長を続けるNFC関連市場での競争力を高める狙いだ。 - Cortex-M85搭載MCUでAI動作実演、23年中にリリース
ルネサス エレクトロニクスはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2023」(2023年3月14〜16日)に出展し、Armの「Cortex-M85」搭載マイコンによるAI(人工知能)実装デモを初公開した。 - ルネサス、32ビットマイコン「RA4E2/RA6E2」を量産
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RAファミリー」として、新たにエントリー品の「RA4E2」と「RA6E2」を追加し、量産を始めた。センシングやPC周辺機器、ウェアラブル機器などの用途に向ける。 - ルネサス、インド2カ所に半導体開発拠点を設立
ルネサス エレクトロニクスは2023年3月3日、インドに次世代半導体/ソフトウェア開発拠点2カ所を地元企業と共同で設立したと発表した。 - ルネサス、「クイックコネクトスタジオ」を開発
ルネサス エレクトロニクスは、クラウドベースの設計プラットフォーム「クイックコネクトスタジオ」を開発、提供を始めた。システム設計者は、これを活用することで製品開発の期間や労力を大幅に軽減できるという。 - ルネサス、4つの技術を「R-Car S4」向けに開発
ルネサス エレクトロニクスは、次世代の車載E/E(電気/電子)アーキテクチャを進化させるために重要となる4つの技術を開発した。これらの技術は、車載コミュニケーションゲートウェイ用SoC「R-Car S4」に搭載されているという。