Micron、27億5000万ドルでインドに後工程新工場:政府が70%を援助
Micron Technologyは2023年6月22日、最大27億5000万米ドルで、インド・グジャラート州にDRAMおよびNAND型フラッシュメモリの組み立て/テスト工場を新設すると発表した。インド中央政府と州政府から総事業費の70%の財政支援を受けるという。
Micron Technology(以下、Micron)は2023年6月22日(米国時間)、最大27億5000万米ドルで、インド・グジャラート州にDRAMおよびNAND型フラッシュメモリ(以下、NAND)の組み立て/テスト工場を新設すると発表した。工場建設計画は2段階に分けて実施し、第1段階は2023年に着工し2024年後半に稼働開始、第2段階は2025年以降に開始する見込みだ。
新工場は、DRAMおよびNANDの組み立て/テスト工程を担う後工程工場で、ウエハーをBGA(ball grid array)パッケージ、メモリモジュール、SSDに加工することが中心事業となる。第1段階では50万平方フィート(約4万6500m2)のクリーンルームを有する施設を建設し、2024年後半に稼働を予定。Micronは、「世界的な需要動向に合わせて徐々に生産能力を増強していく」と説明している。さらに、2025年以降、第1段階と同規模の施設の建設を含む計画の第2段階を開始する見込みだ。
この2段階の工場建設計画の総投資額は27億5000万米ドルとなる予定で、Micronは最大8億2500万米ドルを投じる予定。インド政府の「修正組み立て/試験/マーキング&パッケージング(ATMP)スキーム」に基づき、総事業費の50%はインド政府から、20%はグジャラート州政府からそれぞれ財政援助を受けるという。
Micronの社長兼CEO(最高経営責任者)、Sanjay Mehrotra氏は、「インドに組み立て/テスト拠点を新設することで、Micronはグローバルな製造拠点を拡大し、インドおよび世界中の顧客により良いサービスを提供できるようになる」と述べている。
Micronによると、今回の新工場によって今後数年でMicronの直接雇用が最大5000人、地域社会の関連雇用が最大1万5000人創出される見込みだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- EUV適用1γ DRAM、広島工場では2026年に生産開始
Micron Technologyは2023年5月22日、EUV(極端紫外線)リソグラフィ適用の1γノードDRAMの生産発表に併せて広島工場で記者会見を実施した。 - Micron、EUV適用の1γ DRAMを広島工場で製造へ
Micron Technologyが、EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を適用した1γノードのDRAMを、広島工場で製造すると発表した。1γノードの立ち上げは2025年以降を予定している。 - 価格低迷の中、1β DRAMの拡充進めるMicron
Micron Technologyは、近年、最先端DRAM技術の発展をリードしてきたメーカーの1社だ。同社の1β(ベータ)ノードのDRAM技術もその流れを維持するものだが、2023年にはDRAM価格の下落が予測される中、他の大手メーカーも、追い上げてきている。 - 異なるアプローチでNANDの覇権を争うSamsungとMicron
Samsung ElectronicsとMicron Technologyは依然としてNAND型フラッシュメモリ市場で覇権を争っている。最近両社は、種類は異なるものの、いずれも高密度な3D NANDソリューションを発表した。 - Micron広島工場は「日米連携強化の象徴」
Micron Technology(以下、Micron)は2022年11月16日、同社の広島工場(広島県東広島市)で、1βnm世代のDRAMの量産開始を記念した式典を開催した。式典には、Micronの社長兼CEOであるSanjay Mehrotra氏、グローバルオペレーションズ エグゼクティブバイスプレジデントのManish Bhatia氏の他、経済産業省 商務情報政策局長の野原諭氏、広島県知事の湯崎英彦氏、駐日米国大使のラーム・エマニュエル氏らも出席した。 - Micron、インドにグローバル開発センターを開設
Micron Technology(以下、Micron)は2019年10月4日(現地時間)、インド・テランガーナ州ハイデラバードにグローバル開発センターを正式に開設した。