連載
完全自動運転の入り口となる「レベル3」乗用車の発売と進化:福田昭のデバイス通信(407) 2022年度版実装技術ロードマップ(31)(2/2 ページ)
第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要を説明するシリーズ。今回は「自動運転と遠隔操作」の内容を説明する。
2021年3月にホンダが世界初の「レベル3」乗用車を販売開始
「レベル3」を実現した車両が公道を走行するためには、関連法の改正が国内では必要だった。2020年4月に法整備が完了したことで、日本でも「レベル3」の自動運転を提供する素地が整っていた。
そして2021年3月には本田技研工業(ホンダ)が、世界で初めて「レベル3」の運転自動化システム搭載車両として認可を受けた高級セダン「レジェンド」を発売した。運転自動化システム「Honda SENSING Elite」を開発し、搭載している。
ホンダは「レベル3」の販売で得た知見などを元に、次世代の運転自動化システム「Honda SENSING 360」を開発しており、2023年〜2024年に実用化する予定だ(参考:ホンダの2022年12月1日付ウェブサイト)。
あらかじめ限定された領域(運行設計領域(ODD:Operational Design Domain))を前提として運転操作の全てをシステムが担う「レベル4」は、海外が先行する形で実用化が始まっている。日本は法整備が進んでおらず、無人での公道走行は現時点では実用化できない。車両のシステムとしては「レベル4」でも、実際の運用では運転者が乗車する必要がある。
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 自動車を襲う「カーボンニュートラル」の厳しい要求
今回からは第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要を説明する。第5節は、「自動運転・遠隔操作」「電動化技術」を含む5つの項目から構成されている。 - 次世代移動体通信「6G」を具現化する技術(前編)
今回から、「6G」を実現するために必要な要素技術を解説する。 - COVID-19の影響でインターネットのトラフィックが大幅に増加
今回から、「2022年度版 実装技術ロードマップ」の第2章第4節である「情報通信」の概要を紹介する。第4節は「情報通信概要」「データセンターサーバー」「モバイル」の3項で構成されている。 - キオクシアの通年業績、減収減益で3年ぶりの営業赤字に
今回は、キオクシアの2022会計年度(2022年4月〜2023年3月期)の連結決算を分析する。 - 人間の能力を拡張する実装技術
JEITAの「2022年度版 実装ロードマップ」を紹介するシリーズ。今回から、第3項(2.3.3)「人間拡張」の概要を説明する。 - 触覚とそのセンシング(前編)
前回に続き、第3項(2.3.3)「人間拡張」の概要を説明する。今回と次回で、「触覚」について解説する。