遠隔医療モニタリング向けの超低消費電力SoC:健康管理の効率化に貢献
アンビックは、超低消費電力SoC(System on Chip)「Apollo4 Lite」および「Apollo4 Blue Lite」を発表した。アプリケーションは、医療やヘルスケア分野の遠隔モニタリング製品向けを想定している。
米Ambiq(アンビック)は2023年7月11日(米国時間)、遠隔医療モニタリング向けの超低消費電力SoC(System on Chip)「Apollo4 Lite」および「Apollo4 Blue Lite」を発表した。Apollo4 Blue Liteは、BLE(Bluetooth Low Energy) 5.1をサポートする。いずれの製品も既に量産を開始している。アンビックは、主にバッテリー駆動のIoT(モノのインターネット)エンドポイントデバイス向けに、低消費電力の半導体を提供する企業だ。
Apollo4 LiteおよびApollo4 Blue Liteは、同社独自のプラットフォーム「SPOT(Subthreshold Power-Optimized Technology)」に基づいて構築されている。いずれの製品も、性能の動的スケーリングを実行する「turboSPOT」技術や、オーディオサブシステム、GPU、MRAM/SRAMを備えていて、最大192MHzで動作するArm Cortex-M4コアが組み込まれている。これにより、新機能を実現すると同時に、デバイス全体のシステム消費電力を削減し、バッテリー寿命の長期化を実現する。
遠隔医療市場は、医療従事者不足や高齢者人口の増加などに伴い拡大している。また、スマートウォッチなどをはじめとしたウェアラブルデバイスの普及により、個人が自身のバイタル情報を把握/管理する場合も増えてきていて、遠隔医療/モニタリングへのニーズが高まっている。
アンビック テクニカルソリューション担当 バイスプレジデントを務めるDavid Priscak氏は、「現代の患者は、自分自身の健康状態を観察/把握し、意見を発信する力を強めている。医療従事者は、患者の要求に応え、幅広い治療を行うために多くのデータ分析を必要としている。今回のApollo4 LiteおよびApollo4 Blue Lite SoCの提供により、高性能かつバッテリー寿命の長い健康管理デバイスなどが、より安価に利用できるようになった」とコメントした。
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