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自動車の「機電一体化」が機械と電子のモジュール化を推進福田昭のデバイス通信(411) 2022年度版実装技術ロードマップ(35)(2/2 ページ)

今回は、第2章第5節の第3項(2.5.3)「電動化技術」から、「機電一体化」の概要を取り上げる。機電一体化とは何か、メリットとデメリットは何かを説明する。

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高温、高湿、振動にさらされる電子回路と電子部品

 「機電一体化」のデメリットは、電子系部品の搭載環境が過酷になることだ。温度の上昇、湿度の増加、振動の増大などが生じることが少なくない。

 例えばガソリンエンジンの点火モジュールでは、点火タイミング制御回路(イグナイター)と点火コイルを一体化することで、高電圧の配電機構を不要にした。高電圧の配電機構による点火ノイズの発生がなくなるとともに、ノイズ対策部品(コンデンサー)を不要とした。ただし点火モジュールはエンジン内部にレイアウトするので、動作環境が高温下になる。イグナイターは120℃を超える高温にさらされることがある。

「機電一体化」製品の例
「機電一体化」製品の例。左はガソリンエンジンの点火モジュール。右は変速機(トランスミッション)内部にトランスミッション制御ユニット(TCU)を組み込んだモジュール[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

 また変速機(トランスミッション)制御ユニット(TCU)を変速機の内部に組み込んだモジュールでは、TCUの組み込みによって小型化が図れるものの、高温(140℃)の潤滑油にTCUはさらされる。このため、短時間ながらも周囲温度150℃の動作を保証したTCUが製品化されている。

⇒(次回に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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