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スマホやPCは「中身のみ進化」する時代に突入この10年で起こったこと、次の10年で起こること(75)(4/4 ページ)

今回は、Appleの「Mac Pro」と「Mac Studio」や、ソニー、Samsung Electronicsのスマートフォンを分解。いずれも「外観は前世代品と同じ」で、中身を大きく変更していることが共通している。

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大手メーカーは軒並み、“外観キープコンセプト”に

 図4右は、Samsung Electronicsが2023年夏モデルとして発売する、普及価格帯の5G(第5世代移動通信)スマートフォン「Galaxy A54 5G」である。左は、2022年夏モデルの「Galaxy A53 5G」だ。

2022年夏モデルの「Galaxy A53 5G」(左)と2023年夏モデルの「Galaxy A54 5G」
図4:2022年夏モデルの「Galaxy A53 5G」(左)と2023年夏モデルの「Galaxy A54 5G」[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 Galaxy A54 5Gは、カメラは4個から3個に減少しているが、外観とサイズはGalaxy A53 5Gとほぼ同じ。内部の構成、サイズも同じである。変更点は、プロセッサと5Gモデムチップを、“機能アップバージョン”に置き換えたことである。

 多くのメーカーが、外観をほぼ維持したまま、内部をアップグレードしている。成熟市場となったPCやスマートフォンは今後、外観はほとんど変わらずに内部進化が続いていくのだろう。新規外観製品の分解は難易度が高いことが多い。

 だが、外観や構成が同じままの製品は分解道具や手順が同じなので助かっている。スマートフォンの新製品を分解し、シリコンの視点で進化を見続けた当社としては、分解に手間がかからない(一度分解すれば体が覚えている)“外観キープコンセプト”は大歓迎である。


執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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