ルネサス、23年度2Q業績は予想比上振れ:前四半期比で増収増益(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2023年7月27日、2023年12月期(2023年度)第2四半期(4〜6月)業績(Non GAAPベース)を発表した。売上高は3687億円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1291億円(同163億円減)、営業利益率は35.0%(同3.5ポイント減)、当期純利益は1190億円(同376億円増)となった。
2023年度第2四半期のウエハー投入量ベースの前工程稼働率は60%台前半で、「生産調整のため想定よりやや減少した」としている。2023年度第3四半期は、ほぼフラットに推移することを見込んでいる。
SiC含むパワー半導体向けの能力拡大方針
柴田氏は、SiCを含むパワー半導体の今後の計画についても言及した。同社は、2014年に閉鎖していた甲府工場(山梨県甲斐市)について、2024年に300mmウエハー対応のパワー半導体生産ラインとして稼働を再開する計画だ。柴田氏は、「さらにその先には甲府工場の生産拡大も視野に検討を進めているところだ」と述べていた。
また、高崎工場(群馬県高崎市)にSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の生産ラインを新設し、2025年に量産を開始する予定のほか、2023年7月5日には、Wolfspeedから10年間にわたりSiCウエハーの供給を受ける契約を締結したと発表。将来的には200mm(8インチ)SiCウエハー供給も予定するなど、パワー半導体事業の拡大に向けた取り組みを加速している。なお、同社は2023年第3四半期から、150mm(6インチ)ウエハーを用いたSiCパワー半導体サンプル出荷を開始する予定だという。
柴田氏は、「パワー半導体の事業規模は現在、年間1千億円弱だが、これを着実に伸ばしていきたい」と語っていた。
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