連載
電気自動車の将来を左右する充電インフラ(前編):福田昭のデバイス通信(413) 2022年度版実装技術ロードマップ(37)(2/2 ページ)
今回は、電気自動車の道路走行を支える充電インフラ(充電ステーション)の動向を説明する。
車両の利用シーン別に3種類の充電箇所を想定
EVの充電インフラは、主に3種類の充電箇所で構成される。具体的には、「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」と区分けしている。「基礎充電」は、EV車両を長い時間(8時間〜12時間)にわたって駐車しておくときに充電するシーンを指す。充電は専用コンセントあるいは普通充電器によって実施する。充電場所には自宅の駐車スペース、事業所の駐車場などがある。
「経路充電」は、目的地までの往路あるいは復路の途中で駐車して充電するシーンを指す。駐車時間は30分以下を想定しており、充電は急速充電器によって実施する。充電場所には高速道路の休憩エリア(サービスエリアとパーキングエリア)、一般道路の休憩エリア(「道の駅」など)などがある。
「目的地充電」は、目的地で駐車している間に充電を実施する。駐車時間は用途や場所などによってかなり違う。宿泊施設やレジャー施設などのような長時間(6時間〜12時間)の駐車では普通充電器、大規模商業施設(モール、映画館)などの比較的短い時間(2時間〜4時間)の駐車では普通充電器あるいは急速充電器を利用することが考えられる。
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