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パナソニックが液晶子会社PLDを解散:5800億円の債権を放棄
パナソニックホールディングスは2023年7月31日、子会社のパナソニック液晶ディスプレイを解散すると発表した。5800億円の債権放棄を実施する。
パナソニックホールディングス(以下、パナソニック)は2023年7月31日、子会社のパナソニック液晶ディスプレイ(PLD)を解散し、特別清算手続きを始めると発表した。同社は2019年に液晶パネルの生産終了を発表し、2023年3月末には事業活動を停止していた。
パナソニックは、2008年8月にIPSアルファテクノロジを連結子会社とし、2010年4月にIPSアルファテクノロジ姫路工場でテレビ/ICT用液晶パネルの生産を開始。同年10月にはPLDを設立し、IPSアルファテクノロジ姫路などを吸収合併したPLDで液晶パネル生産を行ってきた。2016年には価格競争が激しいテレビ向け液晶パネルの生産を終了したものの、車載/産業分野向け液晶パネルの清算を継続してきたが、米中貿易摩擦などによる市況悪化の影響が車載/産業分野にも波及し、事業継続は困難と判断。2019年11月に生産終了を決定し、2023年3月末でPLDの事業活動を停止していた。
2023年度に入り、PLDが所有する姫路工場などの処分/移管が完了する見込みとなったことから、PLDの解散および特別清算開始の申立てを行うとともに、5800億円の債権を放棄することとなった。一方、パナソニックはPLD解散に伴う法人税費用の減少などから、2023年度の通期純利益見通しを1100億円、上方修正した。
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