ガルバニック絶縁ハイサイドスイッチ、STが発表:診断制御や保護機能を搭載
STマイクロエレクトロニクスは、診断制御や保護機能を備えたガルバニック絶縁ハイサイドスイッチ4製品を発表した。ノイズの影響を受けやすいPLCや産業用PC、CNC装置といった用途に向ける。
ノイズの影響を受けやすいPLCや産業用PC、CNC装置向け
STマイクロエレクトロニクスは2023年6月、診断制御や保護機能を備えたガルバニック絶縁ハイサイドスイッチ4製品を発表した。ノイズの影響を受けやすいPLCや産業用PC、CNC装置といった用途に向ける。
新製品は、オン抵抗が260mΩ未満で、絶縁により電子機器を保護できる8チャネルハイサイドスイッチ。今回は「ISO808」や「ISO808A」「ISO808-1」および、「ISO808A-1」と、4製品を用意した。これらは全て専用の故障診断ピンを搭載している。
電流制限はISO808とISO808Aが0.7Aで、ISO808-1とISO808A-1は1Aである。また、ISO808とISO808-1は、チャネルごとに個別の入力ピンを備えた。このため、直接制御あるいは同期制御により、全ての出力を同時に制御できる。一方、ISO808AとISO808A-1は、シリアルSPI入力および、オープンドレインのパワーグッドインジケーターを備え、システム制御が可能である。
過負荷保護機能は、チャネルごとに独立して動作する。このため、過負荷になったチャネルは直ちにオフとなる。その後自動的に再起動され、最小限のホスト制御の介入で迅速に復旧する仕組みとなっている。また、チャネルとケース温度をモニターしており、故障状態のままのチャネルを検出し、再度停止させるという。
この他、グランド接地の切断を検出する機能や、逆極性保護、短絡保護、ケース加熱保護といった機能も備えている。静電放電(ESD)や過渡電圧/電流、電源周波数の磁場耐性に関するIEC61000規格など、産業機器向けの国際規格に準拠している。
ISO808ファミリーは既に量産を始めており、供給はPower SO36パッケージで行う。1000個購入時の単価は約5.56米ドル。この他、「STM32 Nucleo」ボードに向けて、4種類の「X-NUCLEO」産業用デジタル出力拡張ボードなども用意している。
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