ニュース
山一電機、高温環境対応のフレキシブル基板を開発:車載機器や半導体製造装置向け
山一電機は、フレキシブル基板(FPC)「YFLEX」の新製品として、高温環境に対応する「高耐熱FPC」3種類を開発、8月25日より全世界で受注を始めると発表した。車載機器や半導体製造装置、検査装置などの用途に向ける。
150℃の環境下で長期信頼性を確保、ノイズ耐性にも優れる
山一電機は2023年8月、フレキシブル基板(FPC)「YFLEX」の新製品として、高温環境に対応する「高耐熱FPC」3種類を開発、8月25日より全世界で受注を始めると発表した。車載機器や半導体製造装置、検査装置などの用途に向ける。
新製品は、絶縁基材ベースが液晶ポリマー(LCP)で片面構成の「YFAシリーズ」、LCP基材で両面構成の「YFBシリーズ」、ポリイミド(PI)基材で片面/両面構成の「YFHシリーズ」である。
新たに開発した高耐熱FPCは、FPC表面を保護するカバーレイフィルムの接着剤層における耐熱性を高めた。これにより、150℃の環境に3000時間放置した後でも、導通抵抗変化率は±10%以内で、絶縁抵抗は500MΩ以上となるなど、電気特性に問題は生じなかったという。
また、グランド(GND)を強化した設計となっており、高耐熱FPCとしての用途だけでなく、ノイズ耐性に優れたFPCとして用いることも可能だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「JOINT2」にダイレクト露光装置メーカーが参画
次世代半導体パッケージ実装技術の開発を目指すコンソーシアム「JOINT2」は、露光装置メーカーのオーク製作所が参画したと発表した。記者説明会では、オーク製作所参画の背景や、JOINT2の研究施設が紹介された。 - EV搭載部品を小型/高効率化、パワーMOSFET内蔵基板
メイコーは「JPCA Show 2023」で、パワーMOSFET内蔵基板の製造技術を展示した。実装面積や配線距離を減らすことで、EV(電気自動車)に搭載するインバーターやDC-DCコンバーターの小型化や高効率化に貢献するという。 - 112Gbps対応内装ケーブル用コネクターを共同開発
山一電機と日本航空電子工業は、112Gビット/秒 PAM4(4値パルス振幅変調)対応の内装ケーブル用コネクターを共同で開発した。2022年度上期にもサンプル出荷を始める予定。 - 近畿大ら、機能性セラミックス薄膜複合FPCを開発
太洋工業と近畿大学の共同研究グループは、「機能性セラミックス薄膜複合フレキシブル基板」を開発したと発表した。用途として、圧電素子やシート状の超音波素子などを想定している。 - 耐酸化性向上、銅・ニッケル系コアシェル型インク
物質・材料研究機構(NIMS)は、プリンテッドエレクトロニクス向けに、耐酸化性を大幅に向上させた「銅・ニッケル系コアシェル型インク」を開発した。銅・ニッケル印刷配線の抵抗率は最大19μΩcmである。 - PCMの課題解決、フレキシブル基板が鍵になる可能性
超格子材料とフレキシブル基板を組み合わせれば、相変化メモリPCM(Phase Change Memory)の主要な欠点の1つを解決できる可能性がある。