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顔の映像から心拍数を高精度に推定する手法を開発将来はスマホでの測定も可能に?

東京理科大学、津田塾大学らの研究グループは2023年8月7日、顔の映像から非接触/高精度で心拍数を推定する新手法を開発したと発表した。従来法よりも推定精度が36.5%向上したという。

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 東京理科大学、津田塾大学らの研究グループは2023年8月7日、顔の映像から非接触/高精度で心拍数を推定できる新しい容積脈波測定法を開発したと発表した。これにより、測定機器の接触により生じる被測定者の皮膚の炎症や、測定中のストレスの軽減が期待される。

 容積脈波測定法は、心臓の拍動によって生じる血管の容積変化である脈波を、皮膚に生じるわずかな色調変化から測定する方法だ。同測定法を顔の映像に応用することで、皮膚に測定器を直接装着することなく心拍測定ができる。しかし、被写体の顔の動きや撮影環境による環境光の変化の影響で、正確な脈波や心拍数の測定が難しいことが課題となっていた。

 同研究グループは、脈波が非線形性や準周期性などの特性を有することを考慮し、顔の映像の解析に、時空間解析手法の一つである動的モード分解を用いた。これにより、心拍由来のわずかな脈波の抽出に成功し、非接触かつ高精度な心拍数推定を実現したという。

研究の概要
研究の概要[クリックで拡大] 出所:同研究グループ

 研究グループは、3つの公開データセット(「TokyoTech Remote PPGデータセット」「MR-NIRPデータセット」「UBFC-rPPGデータセット」)に同手法を適用して実験も行った。安定した環境光の下で作成されたTokyoTech Remote PPGデータセットとMR-NIRPデータセットでは、本手法/従来法のいずれも正確な心拍数推定が可能だった。環境光が変化する環境で作成されたUBFC-rPPGデータセットにおいては、従来法では、ノイズと脈波成分を区別できず、精度が低くなることが分かった。一方で、今回開発した新手法では、精度の高い心拍数推定を実現できることが明らかになった。同実験における二乗平均平方根誤差は6.37bpmで、従来法よりも推定精度が36.5%も向上しているという。

 今後の応用について、同研究グループのメンバーで東京理科大学工学部電気工学科 講師の前田慶博氏は「ビデオ会議システムを利用した遠隔医療やスマートフォンなどのカメラを用いた健康モニタリングへの応用が期待される」とコメントした。

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