中国CICV、コネクテッドカーの試験サービス開始:計測システムを東陽テクニカが提供
東陽テクニカは、中国の国家研究機関「China Intelligent and Connected Vehicles(Beijing)Research Institute」(CICV)が、「コネクテッドカー向け無線通信性能計測システム」を用い試験サービスを始めたと発表した。同システムは中国現地法人の「東揚精測系統(上海)」が納入した。
3GPPより認可されたRTS法を車載無線通信性能計測に適用
東陽テクニカは2023年8月、中国の国家研究機関「China Intelligent and Connected Vehicles(Beijing)Research Institute」(CICV)が、「コネクテッドカー向け無線通信性能計測システム」を用い試験サービスを始めたと発表した。同システムは中国現地法人の「東揚精測系統(上海)」が納入した。
安全で効率の良い自動運転を実現するため、ICV(インテリジェントコネクテッドカー)の開発が進む。ICVでは、V2X(Vehicle to everything)をはじめモバイル通信やGNSSなど、さまざまな無線通信技術を活用する。このため、車両の無線通信性能をOTA(Over-The-Air)で計測する必要がある。そこでCICVは「車載無線通信ラボ」を構築し、ICV技術での課題解決に向けて、試験サービスを2023年7月より始めた。
東陽テクニカが提供したコネクテッドカー向け無線通信性能計測システムは、General Test Systems(GTS、中国・深セン市)が開発した「携帯端末・アンテナおよび、OTA試験方法」を応用した。車載無線通信性能の計測には、3GPPより認可されたRTS(Radiated Two-Stage)法を利用している。
この計測システムは、車載アンテナの単体試験からV2X通信の品質を評価するための通信試験まで、幅広く対応できる。また、自動車など大型の被試験体でも3D MIMO試験が可能である。従来手法に比べ測定誤差源が少なく、測定もより簡単で、費用対効果も高いことが評価され、CICVに採用されたという。
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