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パワーデバイスの温度上昇が接合と放熱構造の変革を促す福田昭のデバイス通信(431) 2022年度版実装技術ロードマップ(55)(2/2 ページ)

今回は、「パワーデバイスにおける接合材料の現状と課題」の概要を紹介する。

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はんだ接合の寿命を均一化

 また、はんだ接合の場合、はんだの厚みが接合によってばらつくことが寿命のばらつきをもたらす。そこで、微小な金属球をはんだに混練することにより、はんだの厚みを均一にする工夫が実施されている。


微小な金属球を混ぜることによってはんだ厚さのばらつきを減らす[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

放熱性の向上には3種類の要素技術で対応

 パワーデバイスの動作温度上昇に伴う、もう1つの課題が「高熱伝導化」(高放熱化)である。放熱性を高める手段は主に3つある。1つは放熱面積の拡大だ。パワーデバイスの片面から放熱していた構造を、両面から放熱する構造に変える。原理的には熱抵抗が半分に下がる。

 もう1つは、接合材料の変更である。従来使われてきた「高温はんだ」から、熱伝導率の高い焼結型接合材料に換える。焼結型材料は銀(Ag)が主流だがコストが高い。そこで銅(Cu)を使った焼結材料の提案がなされている。

 3番目は、接合プロセスの改良である。Ag焼結材料で接合を薄くしたプロセス、リフローはんだ付けの雰囲気を真空あるいは減圧してはんだ接合部のボイド(空隙)を減らしたプロセス、リフローはんだ付けの雰囲気を水素あるいはギ酸に変えてフラックスを不要にしたはんだ付けプロセスなどがある。

⇒(次回に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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