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SynopsysがRISC-V市場に攻勢、シミュレーションツールベンダーの買収で:Imperas Softwareを傘下に(2/2 ページ)
Synopsysが、RISC-Vのシミュレーションツールを手掛けるImperas Softwareを買収した。RISC-Vを採用したプロセッサIP「ARC-V」を発表したばかりのSynopsysは、RISC-Vのエコシステム形成に力を入れる。
EDAメーカーの売却を多数経験
Imperaの創設者であるDavidmann氏は、エレクトロニクス設計オートメーションの業界において輝かしい実績を持っており、Synopsysへの売却は今回が初めてではない。実際に、同氏が1980年代初頭から設立した企業や主要メンバーだった企業はいずれも、大手EDAツールメーカーによって買収されている。以下に例を挙げてみたい。
- Gateway Design Automationは、1991年にCadence Design Systemsに買収された
- Chronologic Simulation(VCSの開発元)は1995年にViewlogicに売却され、その後Synopsysに買収された
- Ambit Design Systemsは、1998年に2億8000万米ドルでCadence Design Systemsに売却された
- 1998年にDavidmann氏が共同設立したCo-Design Automationは、2002年にSynopsysに売却された。なお、Co-Design AutomationでDavidmann氏が、Verilogのスーパーセットとして共同設計したSuperlog言語は、「SystemVerilog」としてIEEEで標準規格化されている
Imperasは2005年に設立されたものの、2008年以降の資金調達のメドがつかなかったことから、Davidmann氏がMBO(マネジメントバイアウト)を主導した。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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