コラム
編集者が選ぶ「2023年半導体業界の漢字」――「先」:2023年 年末企画
2023年も間もなく終わりを迎えます。そこで、EE Times Japan編集部のメンバーが、半導体業界の“世相”を表す「ことしの漢字」を考えてみました。
「今」の積み重ねが、「先」へとつながる
筆者が選んだ漢字は「先」です。
未来、この先という意味で選びました。私はことし5月にEE Times Japan/EDN Japan編集部に配属されるまで、半導体/エレクトロニクス業界に関する知識や経験は、一切ありませんでした。そんな「素人」から見ると、取材を通して出会う技術は日常生活ではまだ出会えない、これから活用されていくものが多く、未来の社会をのぞき見しているようでした。
例えば、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の内覧会では、瞳孔の拡大/縮小などから心の動きを推測する技術や、複数の話者がいる音声を内容でフィルタリングできる技術を紹介してもらいました。将来的には、授業や会議などで何に注目が集まっているかを簡単に測定したり、聴診器の内部で心雑音のみを分離して疾患の早期発見につなげたりといった活用方法が考えられるそうです。また、「CEATEC 2023」で取材したメトロウェザーのドップラーライダーは、大気中を漂う微粒子(エアロゾル)の動きから風況を測定するというものでした。ドローンの航行支援や、物体検知にも活用できるそうです。
2023年は、こうした技術の積み重ねで「できないこと」が「できること」になり、より便利な未来につながっていくのだと思った年でした。
⇒その他の「ことしの漢字」
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