回路形成済みウエハーの裏面研削とダイシング:福田昭のデバイス通信(443) 2022年度版実装技術ロードマップ(67)(2/2 ページ)
今回は第3章第4節第3項(3.4.3)「ウエハ(チップ)薄型化技術とウエハハンドリング」の概要を説明する。第3項は、裏面研磨技術、ウエハーダイシング技術、DBG(Dicing Before Grinding)プロセスの3つで構成される。
ダイシング:極細ライン対応のレーザー、一括対応のプラズマ
ウエハーからシリコンダイを個別に切り離すダイシングには、ダイヤモンドブレードによる機械的な切断が主に使われてきた。ダイシングラインの幅は最小で35μm(TEGパターンのないライン)となっている。
さらに細いダイシングラインは、レーザー改質法によってダイシングする。レーザーによってウエハー内部に改質層を形成し、あらかじめウエハ裏面に敷いてある仮接着フィルムを伸ばすことでダイを切り離す。ダイシングラインの幅は最小10μm(TEGパターンのないライン)とかなり狭い。
最近になって実用化が始まったダイシング技術に、プラズマダイシングがある。プラズマエッチングによってウエハー全体を一括してダイシングする。プラズマダイシングは、チッピング(欠け)が発生しないという重要な特長を備える。このため、寸法の短いシリコンダイやハイブリッド接合用ダイに適している。一方で機械切断(ダイヤモンドブレード)やレーザー改質法に比べると加工時間が長いことから、シリコン面積の大きなダイではコストでプラズマダイシングが不利になる。
DBG:ウエハーの反りを低減
裏面研磨によって薄くしたウエハーは通常、反る。ダイシング用の治具には、反りを元に戻した状態でウエハーをマウントしなければならない。これはウエハーに強い応力を発生させる。
対策として、先にダイシングを実施してから裏面研削を実施する「DBG(Dicing Before Grinding)プロセス」が開発され、実際に導入されている。DBGではダイシング工程でウエハーを完全に切断するのではなく、表面側(回路側)からダイシングラインに沿ってカットするものの、裏面側には届かないようにする(「ハーフカット」と呼ぶ)。
ダイシング(ハーフカット)後にウエハーの裏面を削ると、ウエハーの裏面がダイシングで形成した溝に届いた段階で、各シリコンダイが自然に分離する。シリコンダイの反りはあるものの、ウエハーに比べると大幅に小さい。
最近ではダイシングにダイヤモンドブレードではなく、レーザー改質法を採用したSDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセスが開発されている。ダイシングラインの幅をレーザー改質法と同等にまで狭くできる。
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