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強誘電体の分極反転挙動をナノスケールで観測:従来法に比べ観察時間も大幅短縮(2/2 ページ)
東北大学と東京工業大学の研究グループは、強誘電体の分極反転挙動をナノスケールの空間分解能で、かつ短時間に観測できる顕微鏡手法を開発した。材料特性の改善や新たなデバイスの開発につながるとみられる。
計測時間が大幅短縮、「数日間」から「10分」に
今回と同様の計測を行うため、これまでは圧電応答顕微鏡をベースとした手法が用いられてきた。ところがこの手法だと、高解像度の観察データを得るために1回の計測だけで数日間を要していたという。今回開発した手法を用いれば、同様のデータを約10分で取得できるようになった。
また、取得した計測データの解析に「クラスタリング」と呼ばれる機械学習を導入し、分極反転挙動の分布を画像的に表示する手法も開発した。これを用いると、類似する分極反転挙動を示す領域を自動判別し、色分けして表示できる。これによって、「低い電圧で分極反転する領域」や「反転に高い電圧を要する領域」「分極反転阻害要因によって反転挙動に非対称性が見られる領域」「そもそも分極反転しない領域」などの分布が一目でわかる。
さらに、同一観察エリアにおける表面形状像も同時に取得できる。これと局所CVマップデータを比べることで、結晶粒の境界などが分極反転挙動に与える影響などを詳細に調べることが可能となった。
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