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2024年3月期通期 国内半導体商社 業績まとめ増収増益は6社のみ

半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2024年3月期(2023年度)通期業績は、集計対象の21社中、増収増益は6社のみだった。

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 半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2024年3月期(2023年度)通期業績は、集計対象の21社中、増収増益は6社のみだった。また、2025年3月期(2024年度)通期の業績予想は、10社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も10社に上った。

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 2023年度通期の世界情勢は、欧米での金融引き締めの影響や中国経済の停滞など、先行き不透明な状況が続いている。一方で、日本国内では、物価上昇や為替の円安が進行するなかで、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などにより、緩やかな回復基調が続いている。

 半導体/エレクトロニクス分野では、半導体の強雨級が段階的に正常化する中で、サプライチェーンにおける在庫は高水準で推移している。また、再生可能エネルギー関連や省人化を目的とした投資が堅調に推移した一方で、半導体関連投資は減少した。結果、集計した21社のうち、増収増益は6社のみだった。

国内主要半導体/エレクトロニクス商社2024年3月期通期業績
会社名 売上高
(百万円)
売上高
前年比(%)
営業利益
(百万円)
営業利益
前年比(%)
マクニカホールディングス 1,028,718 ▲0.1 63,733 3.4
加賀電子 542,697 ▲10.8 25,845 ▲19.9
レスターホールディングス 512,484 5.2 15,930 10.5
トーメンデバイス 370,676 ▲11.2 9,480 ▲22.5
リョーサン 277,003 ▲14.9 9,099 ▲41.0
RYODEN 259,008 ▲0.5 8,326 ▲11.2
東京エレクトロンデバイス 242,888 1.1 15,428 8.4
丸文 236,490 4.6 12,984 18.1
立花エレテック 231,042 1.7 10,764 4.3
萩原電気ホールディングス 225,150 21.0 7,711 14.7
エレマテック 194,457 ▲18.9 8,429 ▲30.1
伯東 182,046 ▲22.1 7,636 ▲39.9
サンワテクノス 166,138 ▲8.2 6,215 ▲18.5
新光商事 175,847 ▲1.8 4,878 ▲31.6
三信電気 140,197 ▲13.0 5,748 ▲16.0
カナデン 116,271 9.3 4,544 14.5
たけびし 101,355 4.1 3,736 ▲4.6
グローセル 73,361 7.4 862 ▲31.6
協栄産業 61,679 1.9 1,652 12.3
イノテック 41,358 7.1 2,474 6.7
高千穂交易 25,224 8.0 1,465 6.5
EE Times Japan編集部調べ/2024年5月17日時点

 集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカホールディングスは減収増益だった。同社の集積回路および電子デバイスその他事業では、車載市場において半導体/電子部品の供給改善およびEV(電気自動車)化の拡大などを背景に、その他標準ICを中心に伸長した。一方、産機市場では、各種半導体製造装置やFA機器や工業用ロボット、医療機器など幅広い市場で調整局面となった。中国でのサーバ需要落ち込みの影響を受けて通信インフラ/コンピュータ市場向けメモリの需要が大きく減少したものの、コンピュータ市場では、生成AI(人工知能)向け製品の特需があった。結果として同社の2023年度通期売上高は、前年度比0.1%減の1兆287億円、営業利益は同3.4%増の637億円だった。

 加賀電子の電子部品事業は、部品販売ビジネスは加賀FEIにおけるSoC(System on Chip)製品の販売が堅調に推移したものの、前年度まで2年続いた半導体/電子部品のスポット需要が供給不足緩和に伴い消失したことや、2023年度第3四半期以降に本格化した在庫調整などによるマイナス影響を受けた。結果、同社の2023年度通期の売上高は前年度比10.8%減の5426億円。純利益は同11.8%減の203億円と減収減益となった。結果、2023年度通期の売上高は前年度比10.8%減の5426億円。営業利益は同19.9%減の258億円と減収減益となった。

 レスターホールディングスの半導体および電子部品事業は、デバイス事業は車載向けが好調に推移した一方、産業機器向けやPC向けおよび通信機器向けなどの販売が減少した。ただ、レスターエンベデッドソリューションズ(旧:都築エンベデッドソリューションズ)の連結子会社化が寄与しやや増収となった。また、EMS事業は、主力のスマホおよび車載向けディスプレイの新規顧客への展開もあり、増収となった。セグメント利益は、為替動向による売り上げ総利益の減少や前年同期にあった特需の剥落などから減益となった。同社の2023年度の売上高は前年度比5.2%増の5125億円で過去最高となった一方、純利益は同1.1%減の700億円で着地している。

 2025年3月期(2024年度)通期の業績予想は、米中貿易摩擦やウクライナ問題の長期化、中東情勢の不安定化、中国経済の先行きなど、世界経済の回復時期が不透明なことを踏まえ、慎重な予測を立てた企業が多く、10社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も10社に上った。


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