検索
ニュース

「ソフトウェア中心」は変わらない Emerson傘下の新生NIが強調年次イベントを開催(2/2 ページ)

National Instruments(NI)は2024年5月、米国テキサス州オースティンで年次イベント「NI Connect」を開催した。NIは2023年10月にEmersonに買収され、現在はEmerson傘下の企業になっている。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

「ソフトウェア中心」のアプローチを強調

 筆者は、同カンファレンスでFavre氏と直接話す機会に恵まれた。同氏は、業界で30年以上の経験を持っている。

 Favre氏は自身のキャリアを振り返り、トランジスタからIC、PC、インターネット、そして現在のAI(人工知能)革命に至るまで、重要な技術的マイルストーンについて説明した。同氏は業界を形成する主要トレンドとして、ワイヤレス技術(5G/6G[第5/第6世代移動通信])の進歩や持続可能性への取り組み、AIの統合、半導体と車載ソフトウェアの融合の拡大などを挙げた。

 急速に進化する市場でトップであり続けるための戦略について議論する中で、Favre氏は、柔軟でモジュール化されたソフトウェア中心のアプローチの重要性を強調した。こうしたアプローチによって、顧客は新しい技術に迅速に適応することができるという。同氏は、現在の顧客ニーズに確実に対応しながら、ワイヤレス接続や持続可能性などの新たなトレンドに投資することを重視している。

 Favre氏はまた、テクノロジーにおける多様性とリーダーシップの支持者でもある。同氏は、半導体分野における女性のキャリアの追求と持続を奨励することを目的としたグローバル半導体協会の女性リーダーシップイニシアチブ(Global Semiconductor Association’s Women Leadership Initiative)を積極的に支援している。同氏は、女性が工学分野で直面する歴史的な課題を指摘し、少女たちが数学と科学に興味を持ち、工学の学位を取得し、過酷な半導体分野でキャリアを持続できるように鼓舞するイニシアチブを提唱した。

2024年7月には「Instrument Studio Pro」を発売予定

 NIのソフトウェアコミュニティーディレクターを務めるEli Kerry氏は、「当社は、イノベーションの促進に向けて実際のデータを複雑なオートメーションシステムに統合することで、さまざまな分野の専門家を支援することに重点を置いている」とコメントしている。NIは、新機能に投資し、ラボの統合を増やし、コミュニティーサポートを強化している。主な改善点には、コードの可読性の向上やコラボレーションツール、測定ワークフローの強化などがある。2024年7月には、設定と自動化を合理化する「Instrument Studio Pro」を発売する予定だ。また、新しい電源やベクトル信号トランシーバーなどの高度なハードウェアを統合して、ソフトウェアと最先端テクノロジーを確実に組み合わせている。さらに、継続的な改善を推進する、熱心なコミュニティーの向上にも取り組んでいるという。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る