電気計測の主役は「プローブ」、テクトロニクスが強調:オシロスコープの新製品も展示
Tektronix(テクトロニクス)は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、オシロスコープの新製品「4シリーズB MSO」や光絶縁型差動プローブ「TIVPシリーズ」などを展示した。
Tektronix(テクトロニクス)は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、SiC(炭化ケイ素)/GaN(窒化ガリウム)パワーデバイス向けのオシロスコープおよびプローブを展示した。
担当者は、オシロスコープ/プローブ選びのポイントについて「オシロスコープとプローブには相性があるため、セットで使用することを推奨している。その上で、重要なのはプローブだ。オシロスコープは、取得した波形情報を単に表示する機器にすぎない。重要なのは、実際に波形を取り出すプローブだ」と強調した。プローブの性能については、「耐ノイズ性、測定できる電圧レベル、周波数の帯域が重要だ」と説明した。
そんなテクトロニクスが展示したプローブが、「業界トップクラス」(同社)の周波数帯域1GHzを備える光絶縁型差動プローブ「TIVPシリーズ」だ。同担当者は、「光絶縁型プローブは、テクトロニクスが最初に提供を開始した技術だ」と述べ、光絶縁型プローブの特長については「光ファイバーを使用することで、非計測対象とオシロスコープとの電気的なつながりが無くなるため、ノイズの発生を抑制できる」と語った。
また、テクトロニクスは、TIVPシリーズと共に、2023年12月に発表したオシロスコープの新製品「4シリーズB MSO」も展示した。4シリーズB MSOは、ダブルパルステストが可能なオシロスコープだ。13.3型の高コントラストHDディスプレイを採用していて、薄型(15.5cm)であることが特長だ。静電容量式タッチパネルを搭載しているため、操作性にも優れている。周波数帯域は200MHz、350MHz、500MHz、1GHz、1.5GHzに対応し、最大アナログチャンネル数は6、最大デジタルチャンネル数は48だ。IEC規格およびJEDEC規格に準拠している。
担当者は、「テクトロニクスは、光絶縁型プローブの提供開始当初、市場で高いシェアを占めていた。しかし、他社が光絶縁型プローブの提供を開始して以降、競争が激化している」と語る。その上で、今後の注力市場としてSiCやGaNなどのパワーデバイス市場を挙げ、「間違いなく伸びていく。今後は、研究開発だけでなく、品質管理でも使われていくだろう。そうなれば、現在よりも高い測定精度と信頼性が求められる」とコメントした。
テクトロニクスは、パワーデバイス市場でのシェア拡大に向け、プローブの新製品の発売を予定している。担当者は、新製品について「現在、プローブの周波数帯域を1GHzから4GHzまで広げてほしいという要望がある。また、インバーターや自動車関連での使用を想定した高耐圧化や耐熱性能向上の要求が増えている。こうした課題に対応し、今まで計測できなかった情報を計測できる新製品を年内に提供する」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 最大1500V対応の絶縁型双方向DC-DCコンバーター
TDKラムダは、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、絶縁型双方向DC-DCコンバーター「EZA11K」シリーズの新製品を展示した。直列接続ユニット「EZA11K-SU」を使用して6台を直列接続することで最大1500Vまで対応する。 - 国産のパワエレ高速回路シミュレーターに無償版が登場
スマートエナジー研究所は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、パワーエレクトロニクス向け高速回路シミュレーター「Scideam(サイディーム)」の無償版を紹介した。 - 数百万円で導入できる! 簡易放射イミュニティ試験機
ノイズ研究所は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、電波暗室が不要な簡易放射イミュニティ試験システムや、持ち運びできる静電気試験機を展示した。 - 大容量/発火リスクなし インフラを支える亜鉛二次電池
日本ガイシは「TECHNO-FRONTIER 2024」にて、開発中の亜鉛二次電池「ZNB」を紹介した。エネルギー密度が高く、発火リスクがないことから、基地局などのインフラ設備のバックアップ電源として利用できるという。 - 手作業のミス防止へ エッジAIカメラでリアルタイム解析
村田製作所は「TECHNO-FRONTIER 2024」にて、AI(人工知能)演算機能を搭載したカメラによる工程管理ソリューションを展示した。製造業における手作業の工程をリアルタイムで解析することで、ミス防止や作業スピード向上が期待できるという。