順調なTSMCと遅れるIntel、ドイツの半導体新工場計画の今:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
Intelについては、最近の同社の状況から、工場建設の中止を懸念する声も上がっています。
この記事は、2024年8月19日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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順調なTSMCと遅れるIntel、ドイツの半導体新工場計画の今
近年、半導体の自国/自域内生産能力強化の動きが世界的に加速する中、ドイツにおいても、世界的半導体メーカーによる新工場建設計画が相次いで発表されてきました。そして今週2024年8月20日(ドイツ時間)にはついに、TSMCがドイツ・ドレスデンに計画する工場の着工式が開催される予定となっています。ただ、これまで発表された各社の新工場全てが当初の計画通り進んでいるわけではありません。
TSMCのドレスデン工場は、同社がInfineon Technologies、NXP Semiconductors、Robert Boschと合弁で設置(合弁会社、European Semiconductor Manufacturing Company:ESMCを設立)するもので、TSMCは2023年8月にその建設計画を正式に発表しました。この新工場はTSMCの28/22nmのプレーナーCMOSおよび、16/12nmのFinFETプロセス技術を導入した300mmウエハー工場となり、生産能力は月産ウエハー4万枚となる予定。工場への投資総額は100億ユーロを超え、ドイツ政府が50億ユーロ規模の支援を行う見込みです。
TSMCはこの工場について2024年後半の建設開始、2027年末までの生産開始というスケジュールを発表していましたが、今回の着工式開催から現状は計画通り順調に進んでいることが分かります。
一方で、当初の計画からの遅れが目立つのがIntelです。
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