連載
サーバの主なフォームファクター:福田昭のデバイス通信(470) AIサーバの放熱技術(3)(2/2 ページ)
今回は、サーバの主なフォームファクター(外形の形状と寸法)を解説する。大きく分けて、3つのフォームファクターがある。
大規模化とカスタム化が容易な「ラック型」
ラック型サーバの特徴は、「サーバラック」と呼ぶ棚(ラック)に載せる(マウントする)ことを前提にしていることだ。このため横幅と高さが規格化されている。横幅はサーバラックの内寸である19インチ(482.6mm)よりも短い。高さは1.75インチ(44.5mm)の整数倍である。例えば1倍(高さ44.5mm)のサーバは「1U」、2倍(同89.0mm)のサーバは「2U」と記述する。またベンダーによっては、サーバが搭載しているプロセッサの数を「XP(Xは整数)」と併記していることがある。例えば高さが1Uでプロセッサが2個のサーバは、「1U2P」と表記する。
ラック型サーバは奥行きの寸法が規格化されていない。市販のサーバラックは奥行きが600mm〜1200mmなので、市販のラック型サーバも奥行きはこの範囲に収まっている。
サーバラックの高さは最大で1.8m〜2.2mに達する。大型データセンターのサーバ室では高さが2m前後のラックにサーバを収容していることが多い。
「AIサーバ」と呼称する場合はふつう、大型データセンターやサーバ室(サーバルーム)、ラックマウントサーバでAI(人工知能)用途(学習(訓練)および推論)に適したシステムを指す。次回からはこのような大規模サーバシステムを前提に、放熱・冷却技術を説明する。
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