ニュース
Bluetoothで10cm単位の測距精度 デジタルキーや紛失防止に:24年中に対応チップやモジュールが登場(2/2 ページ)
Bluetooth SIG(Special Interest Group)は、新しい高精度測距機能「Bluetooth Channel Sounding」を発表した。2024年中にチャネルサウンディングに対応した半導体チップやモジュールが登場し、2025年以降エンドユーザー向け製品に搭載される見込みだ。
10cm単位の測距精度、セキュリティ対策も
そして2024年9月に新しく発表されたのが高精度測距機能のチャネルサウンディングだ。位相ベース測距(PBR:Phase-Based Ranging)に基づき、10cm単位の測距精度を実現する。
ワイヤレスネットワークへの攻撃を想定した多層セキュリティ対策を備えていて、紛失防止やデジタルキーに利用できる。製造現場で危険の生じうる設備を扱う際、作業者と一定以上の距離が空いている場合にのみ設備を作動させるといった使い方も可能だ。
Bluetooth SIGメンバー企業がスマートフォンの試作機を用いて行った性能試験によると、最大100mの距離で±20cm、5mでは±10cmの精度が確認できたという。1mの距離では誤差はゼロだった。これは規格確定前の試験結果であるため、Bluetooth SIGは今後より高精度になっていくことが期待できるとしている。
関連記事
- より高精度な測距が可能に Bluetooth新機能「チャネルサウンディング」
Bluetoothコア仕様バージョン6.0の新機能として追加された「チャネルサウンディング」は、これまでよりも高精度に距離測定ができる機能だ。自動車のスマートキーや、盗難防止ソリューションなどでの活用が期待される。 - 「民生から産業へ」、25周年を迎えたBluetoothの新しい活路
Bluetooth SIGが、1998年9月の設立から25周年を迎えた。ワイヤレスオーディオから普及が始まったBluetooth技術は、今や産業用途でも活用されている。Bluetooth SIGのCMO(最高マーケティング責任者)を務めるKen Kolderup氏は東京で開催された記者説明会で、Bluetooth技術のこれまでを振り返るとともに、今後の進化についても語った。 - 将来は工場や病院にも ネクスティがMatterのデモを展示
ネクスティ エレクトロニクスは「CEATEC 2024」で、スマートホーム規格「Matter」を体験できるデモを展示した。 - STとQualcommが無線IoTで戦略的提携、エッジAI普及に向け
STMicroelectronicsとQualcommの子会社Qualcomm Technologies Internationalが無線IoT分野で戦略的提携をすると発表した。STのマイコンエコシステムとQualcomm TechnologiesのAI(人工知能)を駆使した無線接続技術を統合する。 - 5G人口カバー率は29年に80%超に、北米とインドが先行
2024年6月に発行された最新の「エリクソンモビリティレポート」によると、2029年には、5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は56億件を超え、5G人口カバー率(中国本土を除く)は80%を超える見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.