HDD大手Western Digitalの四半期業績はHDDとフラッシュで明暗を分ける:福田昭のストレージ通信(274)(3/3 ページ)
今回は、Western Digitalの2025会計年度第2四半期(2024年10月〜12月期)の業績を紹介する。
フラッシュ応用品のGB単価は前期比で2桁の値下がりに
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。「フラッシュ応用品」の2025会計年度第2四半期(2024年10月〜12月期)における売上高は前四半期比(前期比)0.42%減、前年同期比12.7%増の18億7600万米ドルである。
フラッシュ応用品の粗利益率は32.5%となった。前期の38.9%から、6.4ポイント下降した。ビット換算の出荷容量は前期比9%増である。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)が前期比10%減、同一製品(Like-for-like)が同13%減と出荷容量の増加分を超えたマイナスとなった。
![フラッシュ応用品(左)とHDD製品(右)の売上高と粗利益率(Non-GAAPベース)の推移(2024会計年度第2四半期(Q2FY24)〜2025会計年度第2四半期(Q2FY25))。金額の単位は10億米ドル[クリックで拡大] 出所:Western Digital](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2502/04/mm250204_wd04.jpg)
フラッシュ応用品(左)とHDD製品(右)の売上高と粗利益率(Non-GAAPベース)の推移(2024会計年度第2四半期(Q2FY24)〜2025会計年度第2四半期(Q2FY25))。金額の単位は10億米ドル[クリックで拡大] 出所:Western Digital
「HDD製品」の2025会計年度第2四半期(2024年10月〜12月期)における売上高は前四半期比(前期比)9.0%増、前年同期比76.2%増の24億900万米ドルである。粗利益率は38.6%で前期から0.5ポイント上昇した。総出荷記憶容量は前四半期比7%増と拡大した。
HDD製品の販売台数はクラウド向けが930万台、クライアント向けが210万台、コンシューマー向けが210万台である。それぞれ前の四半期と比べ、30万台増、20万台減、20万台増となった。
HDD製品全体の販売台数は1350万台である。前の四半期からは30万台増加した。HDD製品の平均販売価格(ASP)は172米ドルである。前四半期の164米ドルからは8米ドル上昇した。なお前年同期(2024会計年度第2四半期)のASPは122米ドルだった。
(次回に続く)
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