キオクシアの24年4〜12月は増収増益で過去最高、AI向け拡大:通期も黒字転換し大幅改善へ(3/3 ページ)
キオクシアホールディングスの2024年度第3四半期累計(2024年4〜12月)業績は、売上高が前年同期比80.2%増の1兆3594億円、Non-GAAP営業利益は4156億円(前年同期は2982億円の赤字)、Non-GAAP純利益は2527億円(同2551億円の赤字)となった。売上高および営業利益は過去最高を達成した。
足元では市況の影響も、通期売上高は過去最高に
キオクシアHDは2024年第4四半期および通期予想も発表した。足元ではスマホ/PC需要が弱含んでいて顧客の在庫調整が継続。売価ダウンのプレッシャーも一時的に強まっているとし、第4四半期は売上高が3150億〜3450億円、Non-GAAP営業利益は170億〜390億円、Non-GAAP純利益は20億〜160億円になると見込む。
2024年度通期は売上高が1兆6744億〜1兆7044億円、Non-GAAP営業利益は4326億〜4546億円、Non-GAAP純利益は2547億〜2687億円と予測。売上高は前年度比1.5倍以上の成長で、過去最高に、営業利益も「東芝グループから独立した2018年以降で過去最高になる」見込みだとしている。
今後の市場の見通しとしては、スマホとPCは顧客在庫が2025年半ばまでには正常化し、後半には需要が回復することを見込む。スマホは次期モデル発売が始まることによる機種変更の促進、PCは2025年10月にWindows 10のサポートが終了することおよび、AI搭載PCの普及による買い替え需要を見込む。また、中国では政府補助金政策による需要喚起も期待できるとしている。
サーバはエンタープライズ/データセンター向けサーバ需要が引き続き堅調な他、AIサーバ導入が加速するとみていて「大手IT大手企業のAIインフラ投資によって引き続きSSDの需要が高まる見込みだ。AIでは従来の学習サーバ向け需要に加え、推論サーバ向け需要が拡大する見込みだ」と説明。これらによって2025年のNAND市場は、10%台のビット成長率を見込んでいるという。
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